やっぱり読むなら完結作品!連載を待っているのはもどかしい。そんな貴方にぜひ読んで頂きたい、完結作品だけを集めたおすすめ青年漫画です。

- 著者
- 福本 伸行
- 出版日
- 1996-09-03
「ざわざわ」もしかしたら、漫画を読んだことはないけれど、この言葉は知っているという人もいるかもしれません。言葉というより、擬音語なのですが、本作はとにかく擬音語の使い方がすごいのです。感情の動きを独特の擬音で表すのですが、そのおかげで分かりやすくなっています。
お人よしで、人に騙されやすく、損ばかりのカイジですが、ここで負けたらまずいという時の機転と勝負強さには目を見張るものがあります。最初は本当にダメダメなカイジが成長していく姿と、ハラハラドキドキする展開からは目が離せません。
「カイジ」はシリーズになっていて、『賭博黙示録カイジ』以外にも作品が出ていますので、きっと一度読み始めたら止まらないでしょう。人を騙す、裏をかく、やられているフリをして一気に形勢逆転といったようなストーリーが好きな方にぜひ読んで頂きたいです。
『賭博黙示録カイジ』については<漫画『賭博黙示録カイジ』を名言、効果音などからネタバレ紹介!無料で読める>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
- 著者
- 三田 紀房
- 出版日
- 2003-10-22
『ドラゴン桜』は大学合格を目指す受験漫画なのですが、主人公である桜木は教師ではありません。ここがこの漫画のおもしろいところで、教師と生徒などといった漫画はたくさんありますが、学校経営の再建に来た弁護士が受験に合格するための環境を用意するといったストーリーなのです。
桜木は特別進学クラスを設立して、そこに生徒を合格させるための教師を集めるのですが、この教師達がなんとも個性的で斬新。こんな勉強法があるのか、これで成績があがるのか、とまさに目から鱗の情報が満載の漫画になっています。
学校というより予備校のようなイメージの特別進学クラスは、見事東大に合格することができるのか。ぜひ本作を読んでお確かめください。勉強だけでなく、人生の楽しみ方のようなものも感じることができる青春漫画ですよ。
『ドラゴン桜』については<『ドラゴン桜』あらすじ、勉強法をまとめてみた。名言にも学びがある【無料】>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
板倉俊之はお笑いコンビ「インパルス」でボケを担当しているお笑い芸人です。本作は初めて手掛けた小説であり、初めてコミカライズされた作品となりました。
- 著者
- 板倉 俊之
- 出版日
- 2011-12-27
問題を解決できない議院内閣制を廃止させた日本国民は、西暦2028年に国王制を導入。国として新たに歩み始めます。初代国王となった坂本は私欲に走り、国は荒廃。坂本を処刑し、新国王となった冴木は、日本から犯罪をなくそうと「射殺許可法」を制定します。
射殺許可法とは、悪と認定したものを即時に死刑にできる権利を持つ執行人「トリガー」を、各都道府県に1人配置する、という法律。日本各地でトリガーとなった者が、支給品である専用の拳銃、ベレッタを手に、法の網をかいくぐる悪を裁いていきます。
法律で裁けない悪を裁くという、ダークヒーロー的な物語である本作。トリガーを引く悪の処刑人たちは、人を殺すということに葛藤し、苦悩することもあるため、どこか心に重さが残ります。
基本的には勧善懲悪であるため、無力感ややるせなさを感じずに済むのが本作の大きな特徴。現実にトリガーを引くことは難しいですが、嫌な気持ちを吹き飛ばし、すっきりした気持ちにしてくれますよ。
『トリガー』が気になる方は<漫画『トリガー』が面白い!インパルス板倉の傑作、魅力をネタバレ紹介>がおすすめです。
貧しさのため薬代を払えなくなり、とうとう母が病で亡くなってしまうのです。そして自暴自棄になった風太郎は些細なきっかけで、いままで優しく接してくれていた近所の青年を殺してしまいました。そこから風太郎の人生は大きく変わっていくのです。
- 著者
- ジョージ秋山
- 出版日
『銭ゲバ』については<『銭ゲバ』怖くて切ない!登場人物、結末までの名言をネタバレ紹介!>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
『orange』の舞台は長野県松本市。主人公は高校2年生になった高宮菜穂。彼女は突然、一通の手紙を受け取ります。差出人は26歳の自分。手紙には、26歳の菜穂が後悔しているということ。16歳の菜穂に行動してほしいことが記載されていました。半信半疑だった菜穂ですが、そこへ東京からの転校生、成瀬翔がやってきます。彼の転校は、手紙に記載されていたことでした。
- 著者
- 高野苺
- 出版日
- 2013-12-25
手紙の通り、翔に恋をし、翔が17歳で死んでしまうという現実を肌で感じた菜穂は、須和弘人、萩田朔、村坂あずさ、茅野貴子らと協力し、翔の未来を変えるために奔走することになります。
時間を越えて手紙が届くという、SF要素のある青春恋愛漫画である本作。菜穂と翔の恋模様もさることながら、翔を救うために協力する5人の友情も見どころのひとつ。強い絆に思いがけず涙腺を刺激されます。
翔のもつ事情も根が深いものですが、個人的に推しておきたいのが弘人の存在。10年後の未来には自分の恋が成就していることを知った弘人が下す決断に、誰かこの子を幸せにしてやってくれ、と叫ぶこと間違いなし。変えられた未来に立つ6人は、何を想うのか。どこか切なさの残る最後に、胸が苦しくなる恋愛漫画です。
『orange』が気になる方は<漫画『orange』(オレンジ)の見所を全巻ネタバレ紹介!切なくて泣ける>の記事もおすすめです。
- 著者
- 本宮 ひろ志
- 出版日
- 1994-12-08
主人公の金太郎はまっすぐな男で曲がったことが大嫌い。自身に襲い掛かる様々な試練を、独自の信念に基づき型破りな方法で解決していく様はまさに痛快です。そして、暴走族だった金太郎が仕事を通していろいろな人と出会い、トラブルを解決していく姿には勇気づけられます。
決してエリートではない、泥臭くて雑草魂に溢れた金太郎がどのようにサラリーマンとして成長していくのか。全30巻とたいへん読みごたえのある作品です。仕事がツラい、辞めたい、頑張りたくない……。そんなときは『サラリーマン金太郎』を読んで、明日への糧にしてみてはいかがでしょうか。
『サラリーマン金太郎』については<『サラリーマン金太郎』5分でわかるあらすじ!元暴走族ヘッドがサラリーマンに?【結末までネタバレあり】>で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
- 著者
- 弘兼 憲史
- 出版日
- 2003-10-10
連載されている当時の時代背景がしっかりと描かれている本作では、その時その時の時事ネタもふんだんに取り入れているため、読んでいて社会勉強にもなります。大手企業内での派閥争いや、企業戦略に基づく経営展開など、サラリーマンが主人公ならではのストーリーは、まさに青年漫画と呼べる作品です。
冒頭は広告課で自社カレンダーの製作を担当している島係長ですが、その後日本では関西や九州、さらにアメリカやヨーロッパ・中国・インドなど様々な国を股に掛けるスーパービジネスマンとして出世していきます。
ちょっと子供には見せたくないような、青年漫画ならではの大人なストーリーも満載で、女性にモテモテな島耕作にも注目です。
『課長島耕作』のほかにも弘兼憲史のおすすめ作品を紹介した<弘兼憲史のおすすめ漫画ランキングベスト5!サラリーマン漫画の第一人者>の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。
年の差カップルは巷に溢れていますが、その年齢の開きによっては、驚かされるケースもあります。『これは恋のはなし』は、年齢差21歳の2人の恋物語です。スランプに陥った小説家の内海真一は、無精ひげを生やし、身だしなみにはあまり気を遣わないタイプ。気分転換を兼ねて祖母の残した田舎の家に引っ越しをしたところ、空き家だと思い、捨て猫を飼っていた小学生の森本遥と出会います。
- 著者
- チカ
- 出版日
- 2011-04-07
自宅で猫を飼うことができない遥は、真一の許可を得て庭先で猫を飼うことに。それがきっかけとなり、どこか影がある真一に惹かれていくようになります。対する真一は、担当編集者の大垣に、遥をイメージした恋愛小説を書くように提案され、遥の持つ年齢よりもどこか大人びた部分を気にかけるように。
出会った時は青年と小学生の少女。真一に特殊な性癖は無く、遥に対する恋愛感情はありません。逆に遥は真一にどんどんと惹かれていき、恋心は大きくなるばかり。あまり口数は多くありませんが、遥の表情が真一への想いを雄弁に語ります。真一との触れ合いが、束の間遥に現実を忘れさせ、普通の少女の顔をさせるのでした。
成長するにつれ、遥を眩しく感じ始める真一と、一途な遥の姿に心が温まりつつもキュンキュンしてしまう本作。ベタな展開を踏襲しつつも、少しずつ恋を育てていく姿にニヤニヤ必至です。少し切なくて、でも温かい年の差恋愛ストーリー、ロリコンではなく、完全なる純愛。ご安心して作品世界に没頭してください。
- 著者
- 古谷 実
- 出版日
- 2011-04-12
これぞ男子中学生!と褒め称えたくなるほどのおバカな毎日は、時に下ネタ、時には顔芸、さらには無駄なハイテンションとまさに笑いのオンパレードです。
イラストが少し独特ですが、この画風で変顔を描かれたら、もう笑いが止まりません。シュールな表情から、ハイテンションな表情まで、本当にたくさんの表情を使い分ける作家なので、読んでいてまったく飽きることがないです。また、全13巻なのですが、展開が早いためすぐに読めてしまいます。そして何回でも読み返して楽しめる作品です。
しかし電車やバス等で移動中に読むのは避けた方がいいかもしれません。きっと電車の中で笑ってしまうでしょう。いや、もしかしたら読んでいなくても思い出し笑いをしてしまうかもしれません。
おバカな中学生時代を過ごしたことがある人なら、きっと彼らの気持ちが分かるはず。前に読んだことがある方も、まだ読んだことがない方も、ぜひ手に取って読んでみてください。
古谷実のおすすめ作品を集めた<古谷実のおすすめ漫画ランキングベスト6!ギャグの中にある深いテーマを読む>の記事もおすすめです。『行け!稲中卓球部』は何位にランクインしているのでしょうか。
『ピンポン』は全5巻で展開も早くとても読みやすい作品です。しかし、これで5巻なのかと思う程に内容が詰まっており、さすがは松本大洋と唸らされるでしょう。実写映画版が大ヒットをしたので、もしかしたらそちらを知っている方は多いのかもしれませんが、むしろ実写を観た人にもぜひ読んでほしい漫画です。
- 著者
- 松本 大洋
- 出版日
- 著者
- 石塚 真一
- 出版日
- 2005-04-26
山岳救助隊という名前だけは聞いたことがあるが、実際どれ程厳しい仕事なのか知っている人はそれ程多くないのではないでしょうか。
どんなに吹雪いていようが、そこに助けを待っている人がいれば三歩は迎えに行きます。その遭難者が生きていようが、死んでいようが、散歩は必ず家に帰してあげようと探すのです。そして助けた遭難者に「また来てね」と伝えます。
登山漫画というと、孤独との闘いとか、山に挑むといったイメージの作品が多い中、この『岳』は山で人と接する姿が描かれています。主人公の強さからは、明日を生きる勇気をもらえることでしょう。もしかしたら、登山漫画というよりはヒューマンドラマに近い作品なのかもしれません。ぜひ、三歩の生きざまをご覧ください。
石塚真一のおすすめ作品を紹介した<石塚真一おすすめ漫画ランキングベスト3!『岳』『BLUEGIANT』作者>の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。
主人公の高校生男子、住田秋は生粋の生物好きで、いわゆるオタクです。そんな彼が桂木ユイという女性に一目惚れしたことから始まるストーリー。姉と妹に徹底的にイケメンとして磨き上げられ、ユイと同じ大学に入学することになるのですが……⁈
- 著者
- 山田 玲司
- 出版日
イケメン化した秋は、キャンパスの中で注目の的!ナンパサークルでカリスマナンパ師のように活躍し、「兄貴」と呼ばれるほどになります。たくさんの女の子に言い寄られる秋ですが、彼の目標は好きな女性との脱童貞なのでまったく相手にせず。本当に好きな女性のユイは、イケメンになった秋でもまったく振り向かない、ものすごくガードの堅い女性だったのです。
というのも、イケメンになった秋が姉や妹に教えられた口説き方は、ドンびくほどチャラチャラした言葉ばかり!そんな言い方じゃダメでしょ!とツッコミを入れたくなるほどです。そんなチャラチャラして見える秋ですが心は決まってBバージン!言い寄ってくる女性と脱童貞だってできるけれど、それは絶対にしないというところにはものすごく好感が湧きます。
タイトルの『Bバージン』というのは「好きな女性としか脱童貞しない」という意味です。その名の通り、中身はオタクで純粋で真っ直ぐ信念を貫く秋が、彼女と脱童貞のために一生懸命自分を変えていくストーリー。とにかく主人公の秋がユイへの純愛を貫く姿は素敵です!そんな秋が彼女の心を手に入れることができるのでしょうか……?
いつも限界ぎりぎりで現場に飛び込んでいく大輔にはヒヤヒヤさせられるでしょう。しかし同時に、行ったら危険だと分かっていても、そこに助けを求めている人がいるのであれば突っ込んでいってしまう大輔をついつい応援したくなってしまうのです。
- 著者
- 佐藤 秀峰
- 出版日
- 著者
- かわぐち かいじ
- 出版日
- 1998-03-11
なんと、事件の全てが偽装だったのです。「やまなみ」の乗組員たちは、国家からの極秘任務で事件を偽装し、日本初の原子力潜水艦「シーバット」に極秘裏に乗り移っていました。「シーバット」は核攻撃が可能な最新潜水艦で、日本が投資したもの。それをアメリカ艦隊に所属させていたのです。
海江田は「シーバット」の艦長に任命されていましたが、世界の平和を願う彼はそれを許すことができず、突如アメリカ艦隊を離脱します。そして「シーバット」改め「やまと」という名前で潜水艦を国家として独立宣言したのでした。
核爆弾を保持したことによって武力行使が可能になった新国家「やまと」。非常に恐ろしいですね。潜水艦であるため、海上ならどこにでも自由に移動が出来ますし、核を持っているため、簡単に手を出されることはありません。
世界各国で軍事力を拡大していく時代にさらに強い力を使い、それを抑止力として平和を作るという発想は一見して理にかなっているようにも思いますが、本当にそれで平和というのでしょうか。
ここまでしないと事態が好転しないというのも事実です。なにが正義でなにが悪なのか。平和とはなんなのか。とても考えさせられる作品です。海江田によって作られて国家はいわば核保有国です。果たして「やまと」はどのような結末を迎えるのか。海江田は悪なのか正義なのか。ぜひそれぞれの答えを見つけてみてください。
『沈黙の艦隊』については<『沈黙の艦隊』で考える個と世界の付き合い方。名作漫画を全巻ネタバレ考察!>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
- 著者
- さいとう たかを
- 出版日
コミックが全184巻(2017年4月現在)という驚異の連載を現在も続ける『ゴルゴ13』。連載開始は1968年とかなりの長寿漫画です。実際のストーリー自体はデューク東郷を取り巻く依頼人やターゲットなどの登場人物を主体に進められるため、最後の最後まで主人公がでてこないなんて話になっていることも時々あります。
基本的に無口ですが、強く冷静で博識なデューク東郷はまさにハードボイルドの代名詞と言っていいのではないかと思える程の人物です。実際ハードボイルド漫画と言ったら『ゴルゴ13』と答える人も多いでしょう。それほど多くの人に知られていて人気のある青年漫画、ぜひ全巻読んでくださいと言いたいところですが、さすがに184巻読破してくださいとは言えません……。
巻数が多い反面、この漫画のよい所はそれぞれの話が数話で完結されていて、次の話に繋がることもないので、たまたま本屋さんでパっと手に取った中途半端な巻からでも問題なく読めます。空いた時間にさくっと読める名作なんてなかなかないですよね。おすすめしたい青年漫画です。
『ゴルゴ13』の名言を集めた<漫画『ゴルゴ13』の名言を徹底紹介!Gは昼も夜も超かっこいい!>の記事もおすすめです。
- 著者
- ["村上 もとか", "酒井 シヅ", "富田 泰彦", "大庭 邦彦"]
- 出版日
現代に帰る術が分からない南方は、この時代で医師として生きていくことになるのですが、自分が命を救うことによって、未来を変えてしまうのではないかと迷います。しかし、それでも目の前に苦しんでいる人がいるのに黙ってみていることが出来ない南方は現代医学の知識を駆使し、多くの患者を救っていくのです。
坂本龍馬や勝海舟など、有名な江戸の人物などももちろん登場します。普通の医療漫画と違い、時代劇としても楽しめるところが本作のおもしろいところ。命、時代、運命と向き合う『JIN-仁-』。おすすめの医療もの青年漫画です。
『JIN-仁-』で知られる村上もとかの作品を集めた<村上もとかのおすすめ漫画ランキングベスト5!名作は『仁』だけじゃない!>の記事もおすすめです。
- 著者
- 諸星 大二郎
- 出版日
- 1996-11-01
主人公の武は、実はヤマトタケルが転生した姿であり、作中では日本にある各遺跡を旅して巡ります。神話や遺跡などが好きな方には堪らない作品でしょう。独特の世界観で、縄文文化や出雲神話など、さらにはインド哲学や古代史にまつわる様々な謎をうまく融合させ、それらがまるでパズルのように組み合わさっていくのです。
イラストや設定の細部にまでこだわっているため、どんどんとその世界観に引き込まれていってしまいます。ストーリー自体が緻密な計算から作られていて、読み終えた後に得られる、最後にパズルのピースが全て揃ったときのような爽快感は、まさに歴史ミステリー漫画の傑作です。
「友情・努力・勝利」といった少年ジャンプの理念と真逆をいく青年漫画の『暗黒神話』。もしかしたら好き嫌いの分かれる作品かもしれませんが、全1巻のみで完結なので、ぜひ皆様も読んでみてください。今まで出会えなかった世界観にきっと出会えることでしょう。
独特な世界観を持つ諸星大二郎の作品を紹介した<諸星大二郎のおすすめ漫画ランキングベスト5!『西遊妖猿伝』以外の名作!>もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。
- 著者
- 浦沢 直樹 勝鹿 北星 長崎 尚志
- 出版日
- 2011-08-30
数々の名作を世に生み出している作家、浦沢直樹の漫画『MASTERキートン』は、基本的に1話完結で、古代文明や考古学など様々なテーマについて描かれています。
登場人物はどれも個性的でキャラクターがしっかりと描かれているところも、この漫画の素晴らしいところです。ライバル探偵も出てきて、彼が一層主人公であるキートンの魅力を引き出してくれます。
雑学や教養も豊富で、読んでいて「なるほど」と思える場面も多々ありますので、本当に最後まで飽きずに読み進めていくことができるのです。全18巻と読みごたえ抜群の『MASTERキートン』。ぜひ手に取ってみてください。浦沢直樹の作品を読んだことがある方なら間違いなくハマる青年漫画です。
『20世紀少年』でも知られる浦沢直樹のおすすめ作品を紹介した<浦沢直樹の本当に面白い名作漫画ランキングベスト5!>の記事もおすすめです。
本作の舞台は戦国時代、かつて斎藤道三が治めた美濃国稲葉山城。稲葉山城の戦いで、尾張の織田信長に捕らえられた美濃の豪族、仙石秀久は織田家の家臣として迎えられることになります。体格に恵まれ、武働きは得意なものの頭は弱い秀久は、多くの武将と関わりながら武将として大きく成長していきます。
- 著者
- 宮下 英樹
- 出版日
- 2004-11-05
史実の仙石秀久は、織田信長の命で羽柴秀吉に仕え、秀吉古参の家臣として活躍します。秀吉の死後は徳川家に味方し、徳川秀忠を助けて上田城へ出陣。家康からは信頼され、旧領である信濃小諸藩を治める初代藩主となりました。
秀久の成長を描きながらも、物語の中心は合戦。戦場での日本刀や弓の効力、騎馬武者は本当に強いのかといった、戦国時代の疑問や明らかになった真実が、積極的に作品に詰め込まれています。また、女性の立ち位置や役割についても細かく描かれており、よりリアルな戦国時代が浮かび上がってくるのも魅力です。
男たちの生きざまや、女たちの潔さがカッコよく、ひたすらに眩しく映る本作は、大長編ということもありしっかりと歴史が踏襲されています。勉強と言いながら読んでみると、戦国時代の物語から抜け出せなくなってしまうかもしれません。
『アポカリプスの砦』の主人公、前田義明は、殺人罪で青少年矯正施設松嵐学園に入所しています。しかし、義明は殺人をした覚えはなく、冤罪であるものの、義明の言葉は誰にも聞き届けられずにいました。
- 著者
- イナベ カズ
- 出版日
- 2012-03-02
施設内は暴力が横行しており、混沌とした空気が漂っています。温和な性格の義明はターゲットにされ、理不尽な暴行にさらされていました。そんな中、学園の外では警官が検挙した犯人にかまれて死亡。犯人逮捕に協力した人々までもが突如ゾンビになってしまうという異常事態が発生していました。
日本中がパニックに陥る中、学園にゾンビの魔の手が迫り、義明たちも知恵と若さと力を武器に、ゾンビと戦っていくことに。同室である4号室の吉岡正文、岩倉剛、山野井満とともに、生きるためにゾンビを打ち倒していきます。
基本的にはゾンビとの戦いと、4号室メンバーの交流や過去が中心。さらにはなぜゾンビが発生するに至ったかなど、物語全体の謎も徐々に明らかになっていきます。少年たちのゾンビへの扱いの容赦のなさに、拍手喝采を送りたくなる、ハイテンポなゾンビバスター物語に、釘付けです。
自分の内に引きこもり冷めた態度をとる主人公・雨宮夕日。ある朝、彼が目覚めると部屋に自らを騎士と名乗る喋るトカゲが現れました。謎のトカゲは夕日は世界の危機を救い姫を守る騎士として選ばれたと説明しますが、それに対して夕日は冷めた反応であしらいます。しかし、黒幕である悪の魔法使いが送った敵・泥人形に襲われたところを守るべき姫である・朝日奈さみだれに救われてますが……。
- 著者
- 水上 悟志
- 出版日
- 2006-01-27
ヒロインであり守るべき姫であるはずの朝日奈さみだれという少女と騎士である主人公。それだけなら王道の展開といえるのですが本作の特異さは、姫が地球を守りたい理由が「自らの手で世界を壊したい」という驚きの思想です。
「今からあたしが地球をぶっ壊します」(『惑星のさみだれ』より引用)
ヒロインは姫であり同時に魔王でもある、そしてその姫の気概に心酔し忠誠を誓う主人公という異色作です。しかし、色物感が漂う設定とは裏腹にストーリーはシリアスで、地球を襲う泥人形とのバトルは大迫力で必見!10巻完結とおさまりのよい作品なので、長編や未完結の作品に手を出しにくいという方でもおすすめの作品です。
『惑星のさみだれ』作者・水上悟志の作品を紹介した<水上悟志おすすめ漫画ランキングベスト5!SFからファンタジーまで楽しめる>の記事もおすすめです。
『古都こと』は、京都の大学に通うユキチとチヒロの恋模様を描いた作品です。他の恋愛漫画と一線を画しているのは、本作はユキチとチヒロという2人の視点から見た恋を、別々のコミックスで描いているという点。こちらでは彼女であるチヒロ目線からの恋心を描く『古都ことーチヒロのことー』を中心にご紹介いたします。
- 著者
- 今井 大輔
- 出版日
門脇千尋は、母からもらった手鏡を手違いで祖母に売られてしまったため、落ち込んだ日々を送っていました。大学1年になったある日、チヒロは眼鏡の男子とぶつかってしまいます。1年先輩である堀川諭吉の懐からは、見覚えのある手鏡が。拾い上げて返そうとしたチヒロに対し、ユキチはその手鏡をあげると言ってその場を去ります。
実は祖母が手鏡を売った相手がユキチなのですが、運命の人にあげるんだと言いながら購入したというエピソードに、チヒロはドキドキ。ユキチに再会するたびに、ドキドキと恋する心が募っていきます。
黒縁眼鏡に化粧っ気のない、垢抜けない女子だったチヒロが、恋をするようになって格段にかわいくなっていく姿が印象的。ユキチへの想いが加速する姿に、乙女だなとほっこりとした気持ちも湧きます。
しかし、この恋愛漫画の最大の特徴は、そのとき相手がどう感じていたのか、が判ってしまう点。千尋が乙女思考全開だったとき、果たしてユキチは何を想っていたのか。知るのが怖いような楽しいような、ふわりとした感覚をキャラクターと共有できる恋愛漫画です。
『オレンジ屋根の小さな家』は山花典之による、2005年から2007年にかけて「ビジネスジャンプ」で連載されていた、全8巻の作品です。
有給無消化賞を会社で受賞するほど勤勉な会社員・二ノ宮正太郎は、この賞を受賞したその日に妻に離婚届を突き付けられてしまいます。妻に戻ってきてもらうため、前々から妻がほしがってたオレンジ屋根の一軒家を購入し、息子2人を連れて引っ越します。
時を同じくして、不倫されたことをきっかけに旦那と別れた女性・岡島菜摘も同じオレンジ屋根の一軒家を購入していました。菜摘が娘2人を連れて引っ越した先で、正太郎一家と遭遇し、自分たちが不動産詐欺にあったことに気付いたのです。
片親同士の家族が不思議な同居生活を始めます。お互いに協力し合いながら日々は過ぎ、だんだんと正太郎と菜摘の距離も縮んでいくのでした。
- 著者
- 山花 典之
- 出版日
血も婚姻届けでも繋がっていない、赤の他人一家と生活するなんて、普通は考えられないでしょう。しかし、正太郎は妻が、菜摘は夫が欠けています。本作のテーマは「家族とは」といえるでしょう。
仕事に明け暮れて家族を見れていなかった正太郎は、菜摘一家と暮らすことで否応が無しに家事や家庭内の様子に目を配ることになります。自分が大切にするべきだったのは有給無消化という称号か、それとも……。
旦那の不倫以来、男はいらない、女1人で頑張ると公言していた菜摘は、当初正太郎のことも警戒していました。しかし、同居生活以来子供たちに目を配り、今の生活をうまくやっていこうと不器用ながら行動する正太郎の前向きさや誠実さを通して、菜摘自身の心も動き始めるのです。
正太郎と菜摘の仲だけでなく、息子たちと娘たちの仲が良くなっていく過程も見どころです。突然の片親生活のなか、様々な出来事を徐々に心を開き、精神的に成長していく様子は男女関係なく胸にグっとくるものがあるでしょう。
『にこたま』は渡辺ペコによる、「モーニングコミックス」から出版された、全5巻の作品です。
20歳の頃から同居生活を続けてきた温子と晃平は結婚する予定はないけれど、不満もない平和な日々を送っていました。30歳を目前として、温子はこのまま流れで結婚するのかなと考えていたにも関わらず、晃平は浮気をし、あろうことか相手に妊娠までさせてしまいました。
さらに追い打ちをかけるかの如く、温子に子宮に腫瘍が見つかり、妊娠できない身体であることが発覚します。マンネリ化した二人の愛、将来が見えない出来事が立つ続けに起こり傷づいていく温子が選択した未来は……?
- 著者
- 渡辺 ペコ
- 出版日
- 2010-01-22
読み始め、長期交際のカップルによる、平和な日常漫画かと思いそうになるほど穏やかに始まります。柔らかいタッチで何気ない会話がなされてからの、晃平による浮気は温子だけでなく読者の心にも大ダメージを与えます。
登場人物の心の状態とリンクさせるように描かれるシーンも魅力的です。たとえば温子が晃平に対し、家を出ていく意向を話したシーンでは、晃平が感じたであろう驚きと絶望を浮遊感で表して、食卓のお皿や椅子に座っている晃平が宇宙空間のように浮かび上がってるように描かれています。
無条理に発生する予想外な出来事により、長年連れ添った男と結婚し子供を産むという幻想にひびが入っていく描写は、まさに鬱漫画といえます。完全なハッピーエンドでは終わらない、少し心にもやが残り、愛や結婚とは何なのかを考えさせられる作品です。
『ちちゃこい日記』はサワミソノによる、2013年から2014年にかけて「月刊アクション」で連載されていた、全2巻の作品です。
田舎から越してきた中学1年生のユキコは、どことなく街の洗練された感じに慣れません。クラスの女の子は恋だのオシャレだの、どこか大人びており、ユキコは自分の子供っぽさを気にかけていました。
依然すんでいた場所を時々恋しく思う中、同じ団地に住むクラスメイトの男子・ピータカに少しずつ恋心を抱き始めます。
- 著者
- サワ ミソノ
- 出版日
舞台は雪国。コマからはみ出すように描かれる雪玉と、顔を寒さでほてらせるユキコたちを見ていると、読んでいる側にまで冬特有の張りつめた空気が伝わってきます。
手編みのニット帽におさげを垂らし、長靴で学校に通うユキコが本当にかわいい漫画です。石焼き芋の車のアナウンスに反応したり方言を使ったり……イマドキの中学生にはない無邪気さです。
とはいえ、彼女が周りの垢ぬけた子たちに戸惑うシーンは、周囲と同調することを気にする思春期ならではのものですよね。共感できる方も多いかと思います。
慣れない町で厳しい寒さ、ユキコは雪の町を背景に心のなかで喋るシーンがよくあります。1人孤独に難しく考え込んでしまう、大人に近づいていくシーンともいえるでしょう。
それとは対照的に、ピータカといるときは寒さなどないかのように明るく振る舞っています。室内の暖房や飲み物といった暖かさを演出する背景描写によって、本当は孤独ではない、ユキコの平和な日常をうかがうことができます。
あまり好きではないというこの雪の町で、ユキコはどのように成長するのか、ピータカへの恋は成就するのか、青春真っただ中にいる中学生の日常に切なくなる作品です。
『夏の前日』は吉田基已による、2009年から2014年まで「good!アフタヌーン」で連載されていた、全5巻の作品です。
油絵を専攻する大学4年生・青木哲生は、バイト先で和服を着た年上の美人と出会います。彼女の名前は藍沢晶といい、哲生が外で絵を描いている時に立ち会うようになります。
当初哲生はなにかと声をかけてくる晶を迷惑がっていたのですが、それは童貞であるがゆえに晶を「いい女」と考え「自分と釣り合わない」と思っていたからでした。
ある雨の日、哲生が晶に忘れ物の傘を渡しに行った際、突然晶にキスされます。そのまま服を乾かす名目で晶の家に招かれ、そこで2人は一夜を明かし、晴れて恋人関係となるのでした。
- 著者
- 吉田 基已
- 出版日
- 2010-02-05
絵を描く男子大学生と和服の年上美人カップルという設定は、大変絵になりますよね。「見てるだけでよかったんだけど」「欲しくなってしまった」という晶の台詞に、萌える男性読者は少なくないでしょう。
晶のほうが年上であるため余裕があるように見えますが、哲生が心を開いてないように思われて悩んだりするなど、応援したくなるような可愛さも伺えます。
哲生のほうはというと、大学生であるために今後どのような仕事に就くべきなのか迷っていたり、絵を描くこととは別にやっているバンド活動にも励んでいたりなど、青春と恋愛のバランスに悩んでいる姿が年相応で、若さから滲み出る美しさすら感じられます。
まるで映画のように、背景に空や花が丁寧に描写され、それにともなう哲生や晶の心の声に圧倒されることでしょう。主に鉛筆画のような線画で濃淡を表しているため、作品全体に漂うそこはかとない妖艶さに心が奪われる作品です。
人の姿をしながら、人間を喰らう「喰種(グール)」が存在する世界が舞台。平凡な大学生・金木研(通称:カネキ)は、カフェに通うおとなしい女性リゼに好意を寄せていました。カネキは少しずつリゼと距離を縮めていきますが、なんとリゼは「喰種」だったのです!
カネキはリゼに襲われ瀕死の状態になりますが、リゼの臓器を移植したことで一命をとりとめます。ただカネキは「半喰種」に生まれ変わってしまいました……。突如喰種として生きることになったカネキは、苦悩や葛藤に満ちた日々を送っていくのでした。
人間と喰種、喰種同士のバトルだけでなく、喰種として生きるカネキの複雑な心情を見事に描いた名作青年漫画です。
- 著者
- 石田 スイ
- 出版日
喰種として生きることになったカネキが抱える苦悩や葛藤が丁寧に生々しく描かれています。仲間の喰種を守るために強くなる決心をしますが、「生きるためには喰わなければならない」と思い、心優しいカネキが少しずつ壊れていきます。
カネキが壊れる様子は怖くて不気味ですが、喰種としての苦しみも、人としての苦しみも背負ったカネキのつらさがひしひしと伝わってきて、切ない気持ちになります。
「俺たちは失いながら、生きるしかないんだ」(『東京喰種』より引用)
喰種の悲痛な言葉は、人間として生きる私たちの心に刺さります。
ラストの場面は、続編である『東京喰種トーキョーグール:re』が読みたくなるような終わり方。人間の弱さを生々しく描いたような漫画が好きな方には、きっとはまると思います。
『東京喰種トーキョーグール:re』が気になるという方には<漫画『東京喰種:re』最終回までのネタバレ考察!16巻でついに完結!>の記事がおすすめです。
『純ブランド』は吉田聡による、1987年から1988年にかけて「ヤングサンデー」で連載されていた、全3巻の作品です。
付き合っていた彼女に降られて意気消沈していた19歳の茶ボーこと茶稿夏美は、元同級生である織田純子と再会します。傷心の茶ボーと、中学生の頃茶ボーに惚れていた純子は互いに惹かれあい、同棲することになります。
茶ボーはケンカばかりで保護観察されるようなヤンキーです。自分が子供のままでは純子を大切にできないと考え、真面目になろうと考えますが、そのせいで純子とすれ違うようになり……。
- 著者
- 吉田 聡
- 出版日
茶ボーはリーゼントヘアのいかにもヤンキーといった見た目です。第1話から彼女に振られたことを自転車に乗りながら大声で嘆いていたり、抑えようにもない感情を雨の中腕立て伏せをすることで解消しようとしたりするなど、馬鹿まっすぐといった言葉が似あう魅力的な主人公なのです。
そうして大好きな純子のために変わろうとする茶ボーと、なぜ純子はすれ違ってしまうのでしょう。それは、純子はただひたすら自分のやりたいことを突き進んでいく茶ボーに惚れていて、しかし自分と自分との将来のために茶ボーが変わろうとしていることにやるせなさを感じているからなのです。
現実において、日常に垣間見えるのは幸せで平和なシーンだけではありません。互いの事情や体調、考え方の違いだけで、2人の間の空気は不穏になっていきます。愛し合っているにも関わらずどこか緊張した空気になってしまう茶ボーと純子の様子に、ハラハラしながら読むこととなるでしょう。
ただ好きという気持ちだけでは恋愛はハッピーエンドを迎えられません。とはいえ、愛する気持ちと恋人関係の結びつきの強さは比例しないのでしょうか。未来と愛に悩む、19歳の男女2人がどんな結末を迎えるのか、目が離せなくなることでしょう。
廃部の危機に瀕していた鈴里高校書道部。部員にのぞきというレッテルを貼られそうになり、脅されて入部した縁と、その縁に怪我をさせてしまった責任から入部することになった結希を迎え、なんとか廃部の危機を脱します。
- 著者
- 河合 克敏
- 出版日
- 2007-05-02
帰国子女で習字の授業も受けたことがなかったにも関わらず、達筆な縁と彼に対抗意識を燃やす悪筆の結希の関係が爽やかに描かれています。この2人が入部したことで鈴里高校書道部は、活気づき、全員一丸となって「書の甲子園」を目指すのです。また、実際の書を募集し、作品として掲載するという新しい手法が用いられており、書道に親しむことができ、作品たちに圧倒されますよ。
高校生という年代の微妙な心を繊細に描いている甘酸っぱさが絶妙に描かれています。負けずぎらいな結希の存在でスポコンのように熱い勝負がくり広げられます。書道に対する熱いひたむきさ、心の底で密かにくすぶる情熱、人によって違う情熱の抱き方がリアルに描かれていて引き込まれます。
それまでにかけた努力ではなく、作品という形でしか評価されないという厳しい世界で、決して手を抜かず、自分たちを表現していく姿は、誰しも共感できるようなアツい青春があります。よい作品を生み出すために悩み、あらゆる葛藤を乗り越えた縁たちの最後の作品は必見です。
「下等で奇怪 見慣れた動植物とはまるで違うとおぼしきモノ達 それら異形の一群をヒトは古くから畏れを含み いつしか総じて『蟲』と呼んだ」(『蟲師』より引用)
蟲(むし)とは、動物でも植物でもない下等な生物。その蟲と人間をつなぐ人こそ、主人公である蟲師のギンコ。ギンコは各地を巡りながら、蟲に取りつかれて苦しむ人々を救っていきます。そして住民を助けると、また次の土地へ。全国各地を巡りながら、ギンコはあらゆる人々・蟲に出会っていきます。
- 著者
- 漆原 友紀
- 出版日
- 2000-11-20
雰囲気がどこか神秘的で、蟲にとりつかれた人々の背景や心情が丁寧に描かれているため、昔話のようなしんみりとしたおもしろさがあります。
心がほっこりするような話から、悲しくてむごい話までバリュエーションに富んだストーリーになっています。基本的に1話完結のため気軽に読むことが出来ますし、ストーリーは難しい設定などはなく、読みやすいものが多いです。
他の作品にはない、神秘的で不思議な雰囲気を味わいたい方には『蟲師』がおすすめです。
2070年代、人類による宇宙開発はどんどん進められ、人々は月面や宇宙空間で生活を営むようになっていました。そんな中、宇宙船の軌道上には大量のスペースデブリ(宇宙ゴミ)が残されるようになり、宇宙船との衝突事故が起こるなど、問題視されるようになっています。
星野八郎太、通称・ハチマキは、宇宙のスペースデブリを回収したり処理したりする仕事をしていました。ある日ハチマキは、同僚であるユーリ・ミハイロコフの過去を耳にします。彼は普段から無口でぼんやりと宇宙空間を眺めているような男でしたが、それは彼の過去に原因があるらしいとわかり……。
- 著者
- 幸村 誠
- 出版日
1999年から2004年までの間、青年向け漫画雑誌週刊「モーニング」に不定期で連載され、テレビアニメ化もされました。2002年には星雲賞コミック部門、2005年にはアニメ化された作品が星雲賞メディア部門を受賞するなど、読者からの人気はもちろん、専門家からの評価も高い作品になっています。
スペースデブリの処理を仕事にしているハチマキですが、仕事に対して情熱がある訳ではなく、何となく続けているような節があります。しかしその仕事の中で、同僚のユーリや、新人としてハチマチ達の所にやってきた田名部愛との出会いや交流を通し、少しずつ自分と向き合うようになっていきます。
また、ハチマキと一緒に働くユーリも、妻と同乗していた宇宙船の事故で、妻を亡くし自分だけ生き残った事しまったことで心を閉ざしていましたが、その後、デブリ処理の仕事をしていた際に遭遇した出来事をきっかけに過去と向き合い、変わっていきます。
宇宙を舞台した近未来SFではありますが、描かれているのは主人公のハチマキをはじめ、各キャラクターの成長や繋がりなどのヒューマンドラマです。なので、SFや宇宙に興味のない方でも、奥深い人間の物語として楽しむことができるでしょう。哲学的な部分もあるので、ふとした拍子に考えさせられることもあるかもしれません。隠れた名作と言われるように、何度でも読み返したくなる作品です。
『プラテネス』については<『プラネテス』を真面目に語る。評価の高い名作漫画はタイトルから深かった!>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
『大使閣下の料理人』『プラチナ』などで人気のかわすみひろしが描き出す、リアルでつらい、でも前向きに頑張る仕事漫画であり恋愛漫画です。
大手ビール会社に入社して5年の牧田牧夫を主人公に、営業マンの奮闘が描かれており、28歳という過渡期に立った牧田が、自分の今とこれからを見据えて、仕事や恋や人生に向き合っていくという風に物語が展開していきます。
- 著者
- かわすみ ひろし
- 出版日
「知ってるか?人生には3回、自分の人生に疑問を持つ時がやってくるんだ」(『営業の牧田です。』より引用)
ソレ、今の私です。と言ってしまいたくなる、リアルな営業マンの姿が描かれています。
28歳という年齢にさしかかった牧田は、人生設計がしっかり出来ていない、女にモテないなどうだつの上がらないサラリーマン。営業先に自社のビールを売り込み、頭を下げて回り、「笑顔が笑ってない」と言われて落ち込み……とごくフツーなのです。
そんな普通のサラリーマンが、女性に好意を寄せられたり、仕事がうまくいったと思ったら体よく使われていたり、フラれたり、と日常生活の1コマを切り取ったリアリティあふれるストーリーは、大きな展開もどんでん返しもありませんが、日々、仕事に追われる人の心に刺さります。
人生に3度あるという「自分の人生に疑問をもつ時期」、牧田とともに人生を1度見つめ直してみませんか?
大の大人が「おっぱい」について語り明かしたり、愛人をつくるために議論したり、さらに不倫を実現するために「愛人同盟」を結成するなど、愛すべきバカな大人がたくさん出てくるのが『FRINGE-MAN フリンジマン』です。
冴えない男たちが、麻雀をしながら愛人のつくり方について真剣な議論をしているところから物語は展開していきます。
主人公である田斉(たさい)の「愛人をつくって不倫したい」という願望でしかない要望を叶えるため、同盟メンバーが立ち向かって行くという、さながらスパイ映画のようでいて、ギャグや小ネタが満載、さらにちょっぴりエッチというストーリー展開が見事です。
- 著者
- 青木 U平
- 出版日
- 2013-12-06
「どうやったら愛人をつくることができるのか」を主眼に進むストーリー展開、「愛人同盟」なる同盟を組織し、本気で愛人を作ることを考える登場人物たち、通称「愛人教授(ラマン・プロフェッサー)」である井伏の登場と、おもしろ要素がてんこ盛りです。
愛人ができちゃったら、ただのクズじゃん、という読者のつっこみは総スルー。井伏教授が語る「愛人になりそうな女の見つけ方」も、やたら神妙な顔つき、大げさな解説やリアクションがついていることで説得力が増しています。
でも言ってることは不倫相手候補との接近方法、家への上がり方、前彼が登場した時・嫁への対処法など、ゲスいことばっかりなんです。まだ不倫もしてないのに(同盟の1人は未婚なのに)「不倫した時にはどうすればよいか」のハウツーがレクチャーされています。
目指すところはダメ人間どころか、紛れもなく人間のクズなんですが、なぜか田斉たちを応援したくなるから不思議です。
ヒリヒリするような不倫の後ろ暗さを一切感じさせない、ある種の爽やかさを感じさせる本作。気軽な気持ちで手に取ってみてください。
『フリンジマン』については<『フリンジマン』に学ぶ愛人の作り方!?ヤンマガのご乱心漫画をネタバレ!>で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
不条理なギャグを中心とした作風で人気のカレー沢薫がweb上にて連載していた、ドタバタエロギャグ漫画が『やわらかい。課長 起田総司』です。
同期のうちトップで課長に就任した起田総司を主人公に物語は展開しますが、イケメンでデキる男な起田は、実は初期EDだった! という冒頭から衝撃の展開がくり広げられています。
起田は10年付き合った彼女にフラれたショックからEDになってしまうのですが、課長になった瞬間から多くの女性に言い寄られるように……果たして、起田のEDは回復するのでしょうか?
- 著者
- カレー沢 薫
- 出版日
やわらかい、ってタイトルを見た時には、性格とか物腰のことだと思ったんです、最初。物腰やわらかな課長と部下のハートウォーミングな物語だと思っていました。
しかし、まったく違っていました。やわらかいのは起田課長の男性器だったのです! なんて斬新すぎて詐欺かと思うタイトリング、すばらしいですね。
タイトルがタイトルだけに、全編に渡って下ネタ全開です。起つの起たないの、男性器や女性器やおっぱいやのオンパレードで、読む人を選ぶ内容かも知れませんが、実はただのギャグエロ漫画ではなく、随所に男女の本音が垣間見え、ある意味では男女の感情の機微を学ぶ、恋愛指南書と言っても過言ではないかもしれません。
さらに、人語を話す飼い猫・炎皇斗(カオス)との掛け合いも見どころ。実は1番まともなのかもしれないカオスの名言にも注目です。
イケメンなのにED、女性が言い寄ってくるけどED、真面目な顔をしていてもED、と高スペックゆえにEDであることがジワジワと笑いを誘う1冊。
もはや恋愛漫画と言っては疑問符が付くほど秀逸なギャグ漫画ですが、騙されたと思って、ぜひ読んでみてください。
- 著者
- 大友 克洋
- 出版日
- 1984-09-14
『AKIRA』の舞台は2019年、翌年に東京オリンピック開催を控えた日本の新都市「ネオ東京」です。主人公の金田は自称「健康優良不良少年」。彼は暴走族のリーダーとして自分専用に改造したバイクで、日々暴走行為に明け暮れていました。ある日いつものようにバイクで暴走していた金田とその仲間たちですが、金田の幼馴染であり仲間の鉄雄が転倒して事故にあってしまいます。
病院へ搬送された鉄雄でしたが、退院してきた彼はなんと超能力が使えるようになり、別人のように変わってしまったのでした。そこから、超能力研究所、反政府ゲリラなどが関わってきて、金田の運命の歯車が回り始めるのです。
「古い」や「新しい」なんて概念がまったく当てはまらない本作は、その圧倒的な画力と壮大な世界観で連載当時から多くの人に愛されてきました。
超能力という圧倒的な力に飲み込まれてしまう鉄雄と、大切な友人を助けたい金田の素晴らしいストーリー。そこに迫力満点の画力が加わり、読んだ人に衝撃を与えてくれます。青年漫画が好きな人ならぜひ一度は読んでほしい作品です。
『AKIRA』については<漫画『AKIRA』面白さを全巻の名言から考察!あらすじも【ネタバレ注意】>で紹介しています。いかがでしたでしょうか。どれも名作ばかりなので、手元に置いておけば何度でも楽しく読み返すことができる青年漫画です。この中から一つでも皆様の心に残る作品が見つかれば嬉しいです。