たくさんのBL漫画が刊行されていますが、本屋に行っても迷ってしまうことありませんか。今日はそんな方々に数ある中の名作から厳選した、おすすめBL漫画をランキングでご紹介します。

無表情で自分の気持ちが伝えることが苦手な緒方(おがた)は、職場のクラブでナンパをしては騒動をおこす客、サヤに手を焼いていました。
できるだけ関わらないようにしていたのに、酔っぱらって路上で倒れていたサヤを助けたことで、二人は打ち解けます。いつしか恋心のような感情に気付いた緒方ですが、あるきっかけでサヤを傷つけてしまいました。
好きなのに、どうして伝えることができないんだろう、と自分のことばかり考えていた緒方は、サヤを失いそうになり、ようやく気付きます。 過去にとらわれるサヤを緒方は救い出すことができるのでしょうか。
- 著者
- おげれつ たなか
- 出版日
- 2016-12-29
おげれつたなかの作品は、どれもストーリーが精密に練られています。今にも消えてしまいそうな受けと、自分に自信がない攻め、そんな二人の関係から、切なさが滲んでくるようです。
緒方はサヤに対する感情に気付く前に、身勝手な行動でサヤを傷つけてしまいました。大切に思う人の大切な気持ちを踏みにじってしまったのです。いつ始まり、いつ終わるかもわからないような儚い関係だったはずなのに、いつしか失いたくないと強く思うようになります。
自分が相手を大切に思えば思うほど、恋愛の矛盾の中に引き込まれてしまう……。今作を読み終えたとき、読者はきっと涙してしまうでしょう。
亮太は高校時代からハルに片思いをしている大学生。天使のようなハルでイヤらしい妄想をしています。
でも天使だと思っていた彼は、実は元ヤンな小悪魔だったのです……!押し倒すはずが、強引なハルに流されて逆にエッチに持ち込まれ、超絶テクでトロトロにされてしまいます。
- 著者
- 野々宮 ちよ子
- 出版日
- 2015-06-03
『ブサメン男子♂~イケメン彼氏の作り方~』で一躍有名になった野々宮ちよ子が描くBL漫画です。
可愛い顔したあの子とあわよくばエッチしたいと思っていたのに、押し倒されて逆に自分が抱かれてしまうという「お約束」な展開。エッチシーンもありますが、ストーリーに重点が置かれていてコメディタッチなので、気軽に読める一冊です。
真面目な警察官の上田朝春は、ある朝ヤクザである後藤田輝に告白されます。一目惚れだと言われますが、上田は彼に会った記憶がなく……。
実は、昨夜助けた下着泥棒の被害者でした。その日から可愛い顔をしたヤクザ、後藤田の猛烈アタックがはじまります。
- 著者
- 山本 小鉄子
- 出版日
- 2008-07-10
ヤクザなのに顔や性格が可愛くてあざといという、後藤田に萌える作品です。猪突猛進で超積極的な後藤田と、真面目でちょっとヘタレな上田が可愛らしいイラストで描かれています。
イチャイチャとキスシーンが多いので、全体的な糖度は高め。可愛い系の誘い受けがお好きな方におすすめしたい作品です。
生活能力皆無、さらにビッチでろくでなしのモモと、面倒見が良くお人好しな八田。この2人の出会いは公衆トイレで、モモの事後処理中に八田が遭遇するという最低最悪なものでした。
モモは彼のやさしい心につけこんで家に転がり込むことに成功しますが、一緒に暮らしていくうちに、彼に影響されて少しずつまともになっていくのです……。
- 著者
- はらだ
- 出版日
- 2014-08-16
モモのキュートな笑顔やアホ可愛い言動に、八田とともに読者もメロメロになってしまいます。
たっぷりあるエッチシーンとシリアスな展開、そしてそれぞれの愛が絶妙に合わさっていて、読み応えがあります。特に、巨根&絶倫な八田がモモをめちゃくちゃにするシーンは、エロ好きには必見ですよ!エロコメディなのにシリアスな部分もあるという、これぞ「はらだワールド」な作品です。
大学の同級生でバイト仲間でもある笹原に、玉砕覚悟で告白した鮫島。足の指まで舐めて本気であることを示します。
一方の笹原は、スルーをしようとすると自覚しろと強気に攻められ、逆に受け入れようとすると急にヘタレて逃げ出す鮫島にドキドキしはじめます。
大学生の恋愛がコミカルに描かれた作品です。
- 著者
- 腰乃
- 出版日
- 2011-03-20
自分の気持ちが抑えられなくなり、玉砕覚悟で想いを伝えた鮫島と、男と付き合うのは抵抗があるけど、友人関係は終わらせたくないと思っている笹原。
そんな2人の関係は、時間をかけてゆっくりと深まっていきます。若者らしい爽やかさと性欲を一度に味わえる作品です。彼らのなかなか進まない、じれったくて可愛らしい恋愛をお楽しみください。
武家の庶子である主人公の鈴は本妻の逆鱗に触れぬよう、男として生まれながら女として育てられ、ついには借金のカタに嫁に出されてしまいます。ここまではよくある時代物の設定です。
しかし、鈴はならず者に絡まれたところを、商人の新三郎に助けられ男というものに憧れを持つようになります。彼に助けられ、初めて新三郎と出会った事で始めて男という存在を見て鈴は驚愕と憧れを持ちます。
- 著者
- 山中 ヒコ
- 出版日
- 2009-09-30
「あれが 男か」
(『丸角屋の嫁とり』より引用)
物語の始まりともいえる台詞です。そんな当たり前のことを口に出してしまうほど、彼女の周りには「男らしい男」がいなかったのでしょう。
主人公の鈴は、時代ものによくある、か弱く女らしく悲観しながらも相手の男に惹かれるという性格ではありません。生い立ちからも、あくまで男らしさへの執着と羨望があります。男に戻りたいと思う心情や、男らしさの憧れである新三郎に嫁いでからのすれ違い。それらの深く切ない心理描写がキャラクターの物語の中で交差し、魅せられます。複雑な環境下で育った少女はどのように成長し、愛を見つけるのでしょうか。
表題作の「お守りくん」の他2篇が収録された、作者のtacocasi初のコミックスです。
字の汚いサラリーマンと書道教室の先生、忠犬系大型わんこ風高校生とクールな飼い主高校生、重度の霊障体質高校生と天然キラキラお祓い系高校生の三組の、ちょっと不器用でじれったい恋のお話が詰め込まれています。
- 著者
- tacocasi
- 出版日
- 2016-05-20
憧れの書道の先生に寄った勢いでキスしてしまった事でぐるぐると悩んだり、相手を思ってわざと付き離したり、勘違いですれ違ってしまったり……という硬派でプラトニックな展開が大変微笑ましいです。
表紙を見て分かるように昭和レトロっぽく温かみのある絵柄と、小春日和の日差しのように優しい温度感の恋模様を皆さんにぜひおすすめしたくて紹介させて頂きました。暖かい雰囲気を冬にぬくぬくしながら楽しんで欲しい1冊です。
どこか女性的な雰囲気を持ち内向的な青年・巡(めぐる)は、親友で幼馴染の隼人に「好きだ」と告白されます。しかし、男同士の恋愛に対して「普通じゃない」と困惑してしまう巡。それが原因で2人の間に距離が出来てしまい……。
- 著者
- 雲之助
- 出版日
- 2012-04-14
繊細な心理描写を書かせたらBL界一、二を争う作家・雲之助の、幼馴染同士の恋愛を描いた一冊。華奢で女の子っぽい見た目だけれど意外に男らしい巡と、クールなイケメンなのに実は涙もろくて女々しい隼人の2人が、遠回りしながらも、時間をかけて寄り添っていく過程が丁寧に描かれています。
特に最終話の、雪が降る中2人が手を繋いで歩き、部屋に入ってからお互いの思いを涙ながらに確かめ合うまでのシーンは本当にロマンチック。読んでいて一緒に目頭が熱くなってしまいました。
お互いがお互いを思ってたくさん泣いてたくさん笑い合う、男の子同士の甘くて切ないお話が好きな方におすすめしたい一冊です。
大学生の鈴木圭一は、借金のカタとして砂漠の国に奴隷としてオークションに出品されてしまいました。強欲で有名な国の第一王子に期待外れだとバカにされますが、彼の弟である第二王子によって買い上げられます。それから鈴木は日本に帰ろうと脱走を繰り返しますが、徐々に第二王子の優しさに惹かれはじめます。
- 著者
- 山中 ヒコ
- 出版日
- 2009-08-29
ある時、第一王子の気まぐれで第二王子と鈴木は引き離されそうになります。大切なものをなくす悲しみを恐れて、大切なものはすべて窓から投げ捨てていた第二王子。しかし初めて手放したくないと感じた鈴木という存在を前に、こう言うのです。
「お前を窓から投げ捨てる訳にはいかない」
(『王子と小鳥』より引用)
第二王子が初めて執着の一面を見せたシーンです。アラブ、奴隷系統の話によくある、愛の無い体だけの悲壮感のあるつながりとは異なり、優しさと笑いが独特の雰囲気を作る作品となっています。
また、言葉では表現しきれない心情を作者独特の表情や身振り、空白の表現で作画されており、読むたびに味わい深くなっていく本作。作品に明確な終わりが無いためしっとりとした余韻が最後に残ります。
物語の舞台は昭和の地方名家。當間家の跡取りとして厳格に育てられた育郎が主人公です。母親には先立たれ、父親の愛情は全て妾腹の兄・蘭蔵に注がれていました。
孤独な育郎に、年上の使用人である典彦は、仄暗くて卑猥な愛を植え付けます。彼の思惑通り、育郎は快楽の虜となっていきました。時は過ぎ、當間家当主がこの世を去って育郎が次期当主を継ぐときが来ましたが……。
- 著者
- 彩景 でりこ
- 出版日
- 2016-11-25
本作には、暗くて痛いアンダーグラウンドな世界が広がっています。育郎から蘭蔵に向けられた暴力は、父の愛情を奪ったことに対する憎しみなのか、はたまた父をたぶらかした得体の知れない力に対する恐れなのか。典彦から育郎に与えられる偏愛の真実など、作品全体を覆う独特な雰囲気に肌が粟立つ感覚を覚えるでしょう。
シリアスでドロドロ、救いのない暗い闇の底を覗いてみませんか?
主人公の山田寅雄は恋人の太田光が事故死したのを聞き、生きていても仕方がないと後を追って自殺します。しかし、250年の冷凍保存の後、なんと未来の世界で目覚めてしまうのです。そこで世話役として起動したアンドロイドのヒカルBは、亡くした恋人に似せて作られたはずが、似ても似つかない魅力が「3割減」のロボットでした。
- 著者
- 山中 ヒコ
- 出版日
- 2012-07-25
家同士の仲が悪く、光とほぼ駆け落ち同然で恋人になった事でとうとう絶縁状態になってしまっていた親が、自分のためを思って冷凍保存を実行したという事を知る寅雄。涙を流す彼に対してヒカルBは言います。
「『泣いてるの?寅 うれしいの? かなしいの?』」
(『500年の営み』より引用)
アンドロイドであるが故に、感情を詳しく理解する事ができないヒカルBは作中で二度この台詞を言います。しかし、問いかけの意味は最初と二回目ではまったく異なります。一回目は親への感謝や後悔、安堵など複雑な思いが入り混じったシーンでのもの。二回目はヒカルBへの愛や絆に対してのものなのです。寅雄とヒカルBの成長と思いの経過を見る事ができる、この作品を象徴する台詞となっています。
分類としてはBL漫画ではありますが、今までにないストーリーです。恋人とそっくりなアンドロイドが主人公を困惑させ、気持ちが通じ合ったとしても、アンドロイドゆえの寿命の違いによって悲劇が起こる作品は数多くあります。しかし、従順なアンドロイドが恋人と似ておらず不滅的である事によって主人公が救われるという逆方向からのアプローチをした作品はそうありません。
また、本作は余白や時間の空白が多い本作品。読者の感性や想像力でストーリーをつなぎ合わせることによって、私たちに対して言葉にできない思いを優しく伝えてくる作品だといえます。
唐島真人(からしままさと)は薬などを密売を手伝う、いわゆる運び屋をしています。ある日、仕事の依頼に現れたヤクザ、穂積マサキ(ほづみまさき)の妙な色気に惹かれ、仕事を引き受けました。
仕事を依頼されたことで優位に立つはずの唐島は、いつの間にか穂積に振り回されるようになります。いやいやながらも仕事はしっかりこなす唐島は、穂積の放つ特有の色気に惹かれ続け、危うく気を失いそうになるほどです。危ないくらいに激しい愛の物語がスタートします。
- 著者
- ヨネダ コウ
- 出版日
- 2013-02-09
ストーリーは暗くシリアス感を放っていますが、読み進めていくうちにコミカルで思わず吹き出してしまうようなシーンも登場します。クールに見える唐島も、穂積の前では学生のように可愛らしくなる一面もあり、読者を飽きさせません。
大人びて、余裕そうな穂積が、いつも小ばかにしている唐島に抱かれるシーンは必見です。また、ヤクザなどの裏社会的な設定が苦手な方でも、スッと入り込めるような暗すぎないストーリーになっています。
大人の恋の駆け引きが楽しめる今作は、思わず息を飲んでしまうシーンも満載です。
真木信二(まきしんじ)は32歳にしてようやく、初めての彼氏ができました。相手は12歳年下の大学生、佐山(さやま)。お互い超絶タイプでラブラブだけれど、真木は佐山に対し、3つの問題を感じていました。
1つめに「若すぎること」、2つめが「がつがつくること」、3つめは「佐山が真木を恋愛経験者であると思っていること」です。いっぱいいっぱいだけど、佐山の前ではかっこつけたい真木。好きな人を相手に見栄をはるのは仕方がありませんが……。
双方の誤解が解け、リラックスした大人の恋愛をむかえることはできるのでしょうか?
- 著者
- おげれつ たなか
- 出版日
- 2014-06-10
年下純粋わんこ男子と、ヘタレでビビりな年上男子の恋です。純粋に相手が好きで、かっこよく見せたいと思うがゆえにすれ違ってしまう二人から、もどかしさを感じられます。
個人の成長が、お互いをより良い関係にしてくれるということがわかる本作。恋愛という経験値だけでは測れないものに奮闘する姿が可愛らしくて、微笑ましく見えます。
タイトル通り、ハッキリ言って二人は「バカ」です。しかしお互いを思いやるからこその「バカ」なので、佐山と真木の幸せを願わずにはいられません。
小柄で可愛いけど腕っぷしの強い主人公・砂島に一目ぼれした大型わんこ系ヤンキー石塚のヤンキー高校生の恋愛作品です。
「付き合う代償に俺の下僕になれよ」と命令する砂島。こう言えば諦めるだろう……と希望空しく、むしろ喜んで下僕になってしまった石塚とのツンツンたまにデレな学園もの。小柄で細身で可愛いのに喧嘩が強いヤンキー受・砂島と名の通った有名ヤンキーなのに砂島にデレデレな攻・石塚の王道とも言える主従ラブストーリーです。
- 著者
- 文日野 ユミ
- 出版日
- 2013-12-07
一途すぎる石塚をツンツン足蹴にしつつもついデレてしまう砂島が可愛すぎて胸キュンシーンの連続です。基本的にツンツンツンデレくらいのデレ頻度でムフフなシーンでもツンデレは健在ですので、ツンデレものがお好きな方には堪らない作品なのではないのでしょうか。表題のヤンキーカップルの話のほか、その他4カップルのラブストーリーが詰め込まれた短編集です。美人系からゴツイ系までさまざまなカップルが描かれていますので、きっとお気に入りのカップリングに出会える事と思います。
この1冊で完結した話ですが、数年後の大学生となった後日談を収録した次巻と合わせて全2巻のシリーズものです。
主人公・高梨の初めての上司はゲイの徳永、そしてその相手は社長、というオフィス内の三角関係、でもストーリーはほのぼの、というギスギスしたBLに飽きた人へおすすめしたい作品です。
新入社員の高梨についた上司・徳永は社長・古谷とお付き合い中。この堂々たるゲイカップルに圧倒されつつも、一途な徳永が気になって目で追ってしまうようになった高梨の恋のお話です。
- 著者
- ナナメグリ
- 出版日
- 2012-04-28
社長のナイスミドルな格好良さ、酔った徳永のツンデレな可愛さ、高梨の男らしさ頼もしさがキュンとするポイントです。そしてわりとシリアスな社長の過去編で締めるサラリーマンものBL漫画です。
初めは会社公認のゲイカップルの存在にに戸惑っていた新入社員が段々と馴染んでいく様子が成長を感じさせ、思わず応援したくなってしまいます。徳永の酔った時のギャップにキュンときて、高梨の新入社員らしからぬ頼もしさで徳永を支える男気にぐっとくる作品です。ギャグ調で会話の掛け合いを楽しみながらゆるく読み進められます。表題作のほか、別カップルの番外編も収録されています。
1冊で完結している作品ですが、全3巻です。2巻は上司・徳永視点の半年後の後日談、3巻は1年後の後日談になっています。
「にっしゃん」に対し、高校生のときから6年間片思いをし続ける「よね」。二人は同窓会で久しぶりの再会を果たしますが、お酒も入ったよねは、長く秘めていたにっしゃんへの想いを爆発させます!これをきっかけに、むっつりスケベなよねと押しに弱いにっしゃんのラブラブな生活がはじまりました。
- 著者
- 彩景 でりこ
- 出版日
- 2008-10-31
二人の若さと勢いを堪能できる作品です。あるときは車の中で、またあるときは女子に見られながら観覧車の中で、あるいは寝ている友だちの横でなど、様々なシチュエーションのイチャラブエッチが描かれています。
作中に登場する阿波弁も本作の魅力を引きたてていて、関西弁よりも柔らかくて可愛らしい印象の阿波弁に、方言BL漫画の良さを実感すること間違いなしです!
矢代(やしろ)はヤクザ組織「真誠会」の若頭です。クールに見えて淫乱でドM、飼いならされずにはいられない性分でした。そこへ矢代の用心棒としてやってきたのは、無口で図体のでかい男、百目鬼力(どうめきちから)です。
部下には手を出さないと自分にルールを課していた矢代でしたが、ついに百目鬼を誘ってしまいます。しかし百目鬼は性的不能、いわゆるEDでした。徐々に距離を近づける二人の関係は、これからどうなっていくのでしょうか……?
- 著者
- ヨネダ コウ
- 出版日
- 2013-01-30
ヨネダコウらしい魅力の光る、影を背負った二人が寄り添いながら生きていく物語です。奔放な性格に見える矢代には、誰にも触れられない過去がありました。
好きだけど、どれだけ好きなら恋と呼んでいいのか、どれだけ自分を捧げれば愛と呼んでいいのか、それを探り合っては迷ってしまうのです。叶わなかった恋があるからこそ、臆病になってしまう、でもそんな過去があったからこそ、相手を大切にしたいと思えるのです。
切ない展開は、読者の涙を誘います。人間が本来求めている感情に出会える、そんな作品です。
秋月(あきづき)はその可愛らしい見た目から、日々痴漢にあっている大学教授です。ある日、教え子のハイスペック男子、北村怜矢(きたむられいや)に助けられたことで、その距離が縮まります。
女の子にもモテる北村がどうして自分を気にかけるのかわからないまま、秋月は北村に構われます。チャラそうな見た目通り、どSな態度で迫られて困惑する秋月。案外一途な北村に次第に心を開いていく秋月でしたが……。
- 著者
- 高崎ぼすこ
- 出版日
- 2016-11-25
「ハイスペックな年下男子」と「ドジっ子ツンデレ年上男子」のカップリング。秋月の照れた顔や、素直になれずに悪態をつくシーンは、読者をキュンとさせるポイントです。
イケメンのギャップにやられてしまうのは秋月は、北村によってかなり強引に体を重ねることになりますが、そこにはきちんと愛情がこもっており、乱暴さを感じることはありません。 快感や推しに弱い秋月が、今後北村の超絶テクニックにどこまで溺れていってしまうのか、必見です。
蜂鳥心(はちどりしん)は超絶イケメンで仕事も完璧にこなすエリート上司、その部下にあたる雨深わたる(あまみわたる)は、過去のトラウマからホモが苦手でした。
雨深はある日、偶然蜂鳥がオネエであることを知ってしまい、蜂鳥に処女(?)を狙われる日々がはじまります。 蜂鳥はまるでゲームのようにノンケの雨深を落とそうとしますが、いつもギリギリのところで雨深は耐え忍びました。
だんだんとゲイに耐性が付いていくことに怖さを感じながらも、蜂鳥のことが気になって仕方ない雨深の可愛らしい挙動に、ついつい蜂鳥も絆されていきます。
- 著者
- ねこ田 米蔵
- 出版日
- 2017-02-10
行きつけのバーの常連オネエや会社の同僚を巻き込んだ、Sオネエ男子とノンケ男子のドタバタストーリーです。 ホモが嫌いだと豪語しつつも、雨深はドSな蜂鳥に流され体を許してしまいます。
いつも新鮮な反応をする雨深に、蜂鳥やバーのオネエたちはもちろん、読者思わず可愛さを感じてしまうでしょう。 不憫な雨深ですが満更でもなく、これから蜂鳥のものになるんだろうな、と気づけてしまうほどわかりやすいところも、雨深の良さです。
強烈な設定ながら、決定的な性描写はなく、苦手な方でもスムーズに読むことのできる可愛らしい作品です。
山田(やまだ)は特筆何か持っているわけではない、普通の26歳の社会人です。クリスマスの冷える夜に酒に酔って路上で寝ている少年、鈴木千尋(すずきちひろ)を拾います。
鈴木は自分が同性愛者であることに悩み、苦しんでいる少年でした。そんな重たい問題を抱えている鈴木を自分が救えるはずがないと割り切ろうとする山田ですが、次第に鈴木のために何かしてあげたいと思うようになります。
神社に行き、自分恋愛運を使い果たしてでも鈴木の幸せを願うようになる鈴木。両者から生まれる柔らかい感情に、涙を誘われる一冊です。
- 著者
- 三田 織
- 出版日
表紙の絵から、三田織らしい暖かい雰囲気がうかがえます。何も持っていなかったはずの山田が、鈴木という大切なものを宝物のように扱うシーンは、胸が暖かくなっていくようです。
多感な思春期である10代の鈴木が、山田に見合うような大人になりたいと陰ながら努力するシーンがとにかく可愛く、健気な鈴木を思わず応援したくなります。
人はきっと一人では生きていけなくて、自分よりも大切な誰かに出会えた時、本当の生きる意味を知るのではないでしょうか。優しさが詰まった恋の物語は、読者の恋心を刺激します。
鈴木弘(すずきひろし)は、今でこそイケメン美容師のリア充ですが、昔は園芸部に所属する陰キャラでした。当時自分の生活をめちゃくちゃにした鷲沢夏生(わしざわなつお)を今でも恨んでいます。
突然鷲沢と再会し、告白された鈴木は、復讐と称して鷲沢と付き合い始めます。1ヶ月記念日にはひどい言葉で振ろうと決め、鷲沢と過ごしますが、その日々の中で徐々に知らなかったはずの気持ちが芽生えてきました。
- 著者
- おげれつ たなか
- 出版日
- 2015-04-30
人を恨むことはつまり、その人を気にかけているということなのだと教えてくれる一冊です。純粋に鈴木を想う鷲沢の心に、少しずつ気持ちが動かされていく鈴木の心情描写が見どころです。いつしか心を奪われそうになる鈴木は、それでも鷲沢のことを嫌いであり続けようとします。愛情と憎悪の区別がつかなくなってしまったのです。
鈴木は、大切に育てていた観葉植物のように、いつしか鷲沢にも同じような愛情を注ぎます。 切なく甘いストーリーに加え、濃厚な性描写が魅力的です。淡泊にみえる鷲沢が意外と乱れているシーンには、思わず前のめりになってしまいます。
幼なじみの恒ちゃんに振られたばかりの充。傷心して、学校の書庫で一人で「発散」しようとしていたところを、見知らぬアロハシャツの男・太郎に目撃されてしまいます。彼は充のことを「花子」と呼びますが、そんな風に呼ばれる心当たりは充には無く……。しかし、そのまま淫靡な行為をされてしまいます。
恋心あり、青春あり、発情あり!な田舎の学校に通う男子高校生のお話です。
- 著者
- 彩景 でりこ
- 出版日
- 2010-10-30
本作には、3組のカップルの愛とエロが描かれています。個性的なカップルたちは見ていて飽きることがありません。男子高校生たちのアホな可愛さに、ほのぼのとした気持ちになりますよ。
エロにも重点が置かれているので、エロいBL漫画が読みたい!という方にオススメです。男子学生の青春を見たいという方にも、きっとご満足できる内容になっています。シリアスな部分はないので、気軽にサラリと読める一冊です。
出口晴海(でぐちはるみ)はゲイであることを隠しながら生きています。性に奔放ながらも、どこか物足りなく感じる日々でした。
友人の紹介で出会った小野田(おのだ)に年下にみられるという事件が発生しましたが、そんなやりとりを機に仲良くなります。 ノンケに惚れるようなことはしないと意気込んでいましたが、結局出口は小野田に惚れてしまいました。
これまで男性とお付き合いなど考えたことのなかった小野田は、自分なりに出口とのこれからについて考えていくのですが……。
- 著者
- ヨネダ コウ
- 出版日
- 2014-04-01
どんなに過去に傷ついていても、どんなに理性が働いても、人は必ず恋に落ちます。「好きになってはいけない」と思っている段階で、もう逃げ出すことはできないのだと教えてくれる作品です。
出会いも関係性もありきたりに見えますが、それぞれが相手を大切に思う気持ちは類を見ません。小野田はノンケであるからこそ、男同士の恋愛について、もう一度深く考えることができたのです。
ヨネダコウの描く、切なくて触れたら消えてしまいそうな登場人物たちが、読者の心をつかんで離しません。
『世界一初恋』は出版業界を舞台にしたBL作品です。2014年3月に劇場版アニメが公開されました。
25歳の小野寺律が入社した出版社、丸川書店は、小野寺の初恋相手で過去の恋人でもある高野政宗が編集長として勤める会社でした。高野と別れてからもう二度と恋なんてしないと誓う小野寺と、どうしても小野寺のことが忘れられなかった高野の攻防戦が始まるのです。
『世界一初恋』は登場人物が多く、何組もカップルが出てきます。主人公も章によって変わっていくので、あらゆる視点から物語の世界へ入ることができます。小野寺と高野をはじめとするそれぞれのカップルに焦点が当てられたボリューム満点な作品です。
- 著者
- 中村 春菊
- 出版日
- 2008-07-01
思わずキュンとする場面が多いのもこの作品の人気の理由のひとつです。
「もう一度俺を好きって言わせてやるよ。覚悟しておけ!」
(『世界一初恋』より引用)
過去にすれ違いから別れてしまった高野と小野寺ですが、誤解が解けたことで高野が改めて告白する場面での一言。自分を恨んでいる小野寺のことなんてお構いなしに、高野は強引に迫っていくのです。一見クールに見える高野が胸に秘めた情熱的な部分を初めて見せた場面で、高野の男らしさを感じられるシーンになっています。
『世界一初恋』のキャラクターたちはとにかく一途です。長い間ただ一人を思い続けることは決して簡単なことではありません。しかしその経験をしているからこそ得られる喜びや優しさがあり、一途に誰かを思う気持ちは素敵なことなんだと思わせてくれる作品です。読めばきっと恋がしたくなるのではないでしょうか。
『タクミくんシリーズ Pure』は、男子校を舞台にした恋愛物語。
他にも『タクミくんシリーズ jealousy』や『タクミくんシリーズ June Pride〜6月の自尊心〜』などがあり、ほとんどが葉山託生(たくみ)をメインとした漫画です。しかしこの『タクミくんシリーズ Pure』では託生と同じ学校に通う三洲新と、新入生の真行寺兼満のカップルが主役になっており、脇役にスポットライトを当てた作品で、これがまた名作なのです。
- 著者
- ["ごとう しのぶ", "おおや 和美"]
- 出版日
ふたりの出会いは高校の入学試験。真行寺が受験生として私立祠堂学院高等学校に来た際に試験監督として教室にいたのが三洲でした。そこでちょっとしたトラブルから真行寺は三洲に一目惚れしてしまい、入学後に追いかけまわすようになります。素っ気ない扱いを貫く三洲に真行寺は健気に懐き、一途に彼を想い続けるのです。
この作品では些細なすれ違いや嫉妬に胸が締め付けられる場面がたくさんあります。例えば三洲の憧れの人である相楽が関わるシーン。自分には冷たいのに対し、相楽には優しい三洲。彼の姿を見た時の真行寺の気持ちは計り知れないもがあるのではないでしょうか。しかしそれでいて三洲は真行寺に対する独占欲をむき出しにする時もあるなど、読者まで一緒に翻弄されてしまいます。真行寺の不安な心情が特によく表れている場面があります。
「俺だけがアラタさんに恋をしていた。」
(『タクミくんシリーズ Pure』より引用)
体の関係を持ったものの、心は自分に向いていないのではないかと不安で仕方がない気持ちから出た言葉です。相楽と楽しそうに話す姿に嫉妬したり、自分が誘っても断られてしまったり、三洲の気持ちが分からずに苦しむ真行寺の姿にはやり切れない思いがします。
『タクミくんシリーズ Pure』は真行寺の切ない恋心に涙を流さずにはいられない作品です。しかし切ないだけではなく、三洲も真行寺を大切に思う場面ではほっとすると同時に心が温かくなります。三洲は普段冷たい分、優しい時のギャップが大きいので、思わず彼の魅力にハマってしまう方もいるのではないでしょうか。
穂積豊(ほづみゆたか)は過去に家族関係に対するトラウマを持っているサラリーマンでした。人と食事をすることが苦手で、公園でおにぎりを食べているところ、小さな男の子がやってきます。そこが、男の子の兄である上田稔(うえだみのる)と出会いです。
小さな弟、種(たね)を含めて三人で食事を囲むうちに、穂積は幸せを感じることができるようになりました。しかし、 同時にこの幸せを失うのが怖くもなります。穂積と稔と種、そして父と過ごしながら、幸せとは何か、失うとはどんなことかを学んでゆく、ゆったりとしたラブストーリーです。
- 著者
- 三田 織
- 出版日
食を通じて、愛情に触れていく本作。匂いまで伝わってきそうな絵に、思わずお腹が鳴ってしまいそうです。三田織らしいやわらかいタッチで登場人物が描かれ、紙面から暖かさが漏れ出してくるのを感じられます。
可愛らしい種の救いもあり、穂積と稔は恋人関係になりました。愛情に飢えていた穂積の心を不器用ながらに埋めてくれた稔に、一緒に生きようと伝えるシーンは読者を感動させます。二人の隣で成長していく種からも目が離せません。
手に入れることは、失うことに近いことです。誰しもそのことを理解していながらも、求めてしまうのでしょう。安心や信頼の本当の大切さを教えてくれる作品です。
『セブンデイズ MONDAY→THURSDAY』は弓道部の先輩・後輩が一週間限定で付き合うという物語。月曜日から木曜日までの四日間がゆっくりと進んでいくストーリーです。
女子生徒から人気の芹生冬至は、毎週月曜日の最初に告白してきた人と付き合い、必ず一週間で別れるという噂がありました。芹生の弓道部の先輩である篠弓弦は軽い気持ちで芹生に告白し、二人は付き合うことになります。最初はゲーム感覚で付き合い始めた二人ですが、徐々にお互いに気になる存在に変わっていくのです。別れの日が近づくにつれ焦り始め……。
- 著者
- 橘 紅緒
- 出版日
- 2007-09-01
芹生は今まで人を好きになったことがなく、好きになる可能性を信じて一週間限定でたくさんの女子生徒と付き合っていました。それでも結局恋を見つけることはできず「好きになれなかったから別れよう」とほとんど自ら別れを告げるのです。一方の篠はというと彼女はできるものの、いつも「思ってたのと違う」と言われ振られていました。どちらも元々女の子が恋愛対象だったはずなのに、お互いを知るうちに恋に落ちてしまうのです。
この作品はたったの1週間しかない話なので、一日一日が長く丁寧に描かれています。しかし細かすぎず、程良く読者の想像力を掻き立てるのでいろんな解釈の仕方ができると思います。思春期の男の子ならではの繊細な心の動きがリアルで、すぐ近くで起こっていることのような気になれるはず。徐々に近づいていく二人の距離に温かさを感じられる作品です。
落ち着きがあり淡々と進められる物語。山あり谷ありの大きな展開はありませんが、不思議と退屈しない、読んでいて心地の良い作品です。続編の『セブンデイズ FRIDAY→SUNDAY』には金曜日から日曜日までの残された三日間が描かれています。二人の関係に答えが出る完結編なので合わせて読んでみてはいかがでしょうか。
- 著者
- おげれつ たなか
- 出版日
- 2015-10-10
高校時代に付き合っていた直人と太一。お互いを思い合っていましたが、交際中は上手くいかず、別れを決意します。それからはずっと疎遠のままでしたが、なんと大学で再会。別れたものの、友人として付き合うには、奥深くまでお互いを知りすぎていました。再熱した気持ちを止めることはできず、再び付き合い出す二人。初めは順調に見えましたが、徐々にすれ違うようになっていきます。
注目していただきたいのは、直人たちの表情です!どこを切り取っても、キャラクターの喜怒哀楽の表情が多彩で、作品の中で生き生きとしています。悲しんでいる顔には、胸がぎゅっとしますし、満面の笑顔では恋に落ちそうなほど魅力的です。無口で無表情な太一が、自分を抑えているシーンは切なくなります。
また、BL作品ではおまけ扱いされがちな女性キャラを日常に組み込んでいるところも美点。邪魔者にされがちですが、作品の中で上手く華を添えており、大変良いエッセンスをプラスしてくれています。時にはライバル、時には支えなど、彼らの男女間の友情も見物ですよ。
- 著者
- 羅川 真里茂
- 出版日
主人公のケインは、ニューヨーク市警に勤めながら、毎夜マンハッタンまで繰り出し、その日限りの相手を探す日々を過ごしていました。周囲には同性愛者ということを隠しています。そんな軽い付き合いを好んでいたケインが出会ったのは美青年・メル。様々な試練が訪れる中、ケンカをし、傷をぶつけ合い、そしてお互いを理解していきながら、二人は愛を深めていくのです。
「ジーザス 運命だと思った」
(『ニューヨーク・ニューヨーク』から引用)
男同士のラブストーリーと、BL漫画で一括りにはできない作品の一つです。アメリカを舞台に、ゲイとして生きる主人公たちの日常を描いています。カミングアウト、宗教観、周りとの意識差、差別、HIVについても真摯に向き合っており、同性愛を色眼鏡で描くこともなく、また誤魔化すような表現もありません。マイノリティについてじっくり考えさせられる作品です。
- 著者
- 日高 ショーコ
- 出版日
- 2009-12-24
仕事と家を往復する毎日の桜井は、何をするにも情熱が長続きしない、少し冷めたタイプ。好きな植物の世話も上手くいかず、彼女とも別れ、仕事にも熱が入らない。そんな時に出会ったのは、帰り道、偶然ぶつかった大学生の蓉一でした。その時、ダメになってしまった資料を、蓉一は自分も持っていると強引に桜井を家に招きます。初めは戸惑う桜井でしたが……。
桜井(38)と蓉一(19)の年の差、19歳差のカップルです。初めは苦手な者同士だった二人が、お互いを理解し、ゆっくりと気持ちを繋げていく、二人が両思いなるまでを大変丁寧に描いています。ようやく二人が結ばれた時の達成感は、長編ドラマを見終えた後のよう!ハッピーエンドへの喜びと、完結した寂しさと、作品に愛おしさを感じます。
脇を固める登場キャラも、それぞれ個性があって魅力的!おじさんキャラも出てきますよ。様々なタイプの人間が集まり、自分の過去や恋、人生を見つめなおしていく作品です。
探偵事務所の調査員として働いている空木。ある日、大学教授を務める山代から、「妻の身辺調査をしてほしい」と依頼されます。依頼通りに調査を進めると、山代の妻と、同じ大学の教授・奥園修治との浮気が判明。しかし、「山代の愛した女性を奥園が寝取る」という行為は今回がはじめてではなかったのです!
そして、異様な二人の関係に自ら身を投じる空木。歪んだ三角関係はどのような結末を迎えるのでしょうか。
- 著者
- 彩景でりこ
- 出版日
- 2015-10-27
好きな人には、他に好きな人がいて、直接触れることはできません。そのため、別の人間を介して己の好きな人に触れる、という異質なBL漫画です。
言葉では言い表せないような複雑な感情が彼らの間にはあります。一見すれば歪んだ愛ですが、味方を変えれば、相手を何年も真っ直ぐに想い続ける純愛のようにも見えます。独特の雰囲気が漂っており、他の漫画では見れないであろう唯一無二の作品です。
- 著者
- 緒川 千世
- 出版日
- 2015-06-10
主人公・梓はカーストゲームで最上級の札・キングを手にし、クラスで好き勝手やりたい放題でした。しかし、再び始まったカーストゲームで、自分の忠犬・刈野に裏切られ、ターゲット・いじめの標的にまで落ちてしまいます。
「その顔を苦痛に歪めるのが見たかったんだよ」
(『カーストヘヴン』から引用)
新しいキングは、裏切り者の刈野でした。その日から、今までの仕返しとクラスメイトから標的にされる日々。とうとう身体にまで手を出されそうになった時、刈野は梓に選択を迫ります。犯されるなら、自分かクラスメイト、どちらかを選べと言われ、そして梓が選んだのは……。
すごい設定ですよね。まずゲームでカーストを決めようという発想に驚きです。しかもゲームのルールは単純、校内に隠されたトランプを探すだけ。昨日までは雑魚扱いだった子が、次の日から人気者になれるんですから、全員必死です。こんな学校だからか、ほとんどの登場人物が歪んでいます。
どろっとした人間模様がお好きな方、ぜひ一度読んでみてください。癖になる面白さです。
- 著者
- 左京 亜也
- 出版日
- 2012-09-29
主人公の真悟は、ネコに化けることができるネコ科人間です。性に奔放な真悟は、日中は映画のセットの設置や解体をし、働いてはいますが、夜になれば一夜の相手を探し回る日々。けれど、ある映画撮影の現場で人気俳優の賀神に、正体がバレてしまいます。そして、彼の罠にはまった真悟は、一夜を過ごしてしまうのです。
この作品で面白いのは、遊び感覚で手を出してきた賀神の方が、真悟に夢中になってしまうところです。あまりにもツレない彼に、一生懸命アプローチします。真悟がなかなか懐かないので、賀神は四苦八苦です。イケメンの焦り落ち込む姿は見物ですよ。臆病な真悟に、賀神は愛情を注ぎ、そして最後は粘り勝ちのハッピーエンドです。
この作品全体から伝わるのは、二人の愛し合っている気持ちです。愛情溢れんばかりにたっぷりと描かれているので、読んでいくうちに幸せな気持ちになれる作品です。ドキドキしたいけど、ほっこりもしたい方におすすめします。
- 著者
- わたなべ あじあ
- 出版日
人類強化獣種・ライカン。彼らは遺伝子組み換えにより、通常の人よりも桁外れの身体能力を持ち、寿命もほぼ不死近い獣人族です。このライカン達は、性欲が強いうえにほぼ不死身のため、増殖しないように雄しかいません。彼らの主な仕事はモンスター退治で、城や街を守る戦闘部隊に所属しています。
主人公・光陽は、隊の中でも古参であり、そしてかなり強力なフェロモンの持ち主です。部隊内での面倒事を回避するため、年下の獣人・ジェイドが性処理を手伝っています。処理はするくせに、最後まではしたことがない二人。本当は惹かれ合っているのですが、関係はなかなか進展しません。誤解が誤解を生み、ショックを受けた光陽は他の獣人の誘いに乗ってしまいます。
もともと同人誌で連載されていた作品ですので、作者の趣味や好みがぎゅぎゅっと凝縮されています。けっこう濃い内容です!好みは分かれるかもしれませんが、世界観にハマってしまえば、この濃厚さにぐっと心を掴まれてしまいます。ファンタジーらしい壮大さと、考え抜かれた設定に興奮すること間違いなしです。
ファンタジーの世界にぐっと浸りつつ、光陽とジェイドの両片思いにハラハラしてください。世界観が掴めるか不安な方でも大丈夫。どっぷりと『ROMEO』の世界に浸ることができます。詳しい説明もありますのでご安心ください。
- 著者
- 中村 春菊
- 出版日
宇佐見秋彦、通称・ウサギさんの仕事は人気の小説家です。主人公の美咲は、兄の友人のウサギさんが大の苦手。嫌いな男の家にあった小説を、美咲は偶然手にし、衝撃が走ります。なんと、その小説は「ウサギ×自分の兄」のBL小説でした。怒り心頭の美咲は、勢いでウサギさんに食って掛かりますが……。
泣くときも、笑う時も、何から何まですべてが豪快です。特に主人公の美咲がとても表情豊かな子なので、見ていて飽きません。常にストレートの彼の性格は、気持ちよさを感じるほど。そんな美咲に引っ張られ、無表情で食えない男・ウサギさんもどんどん表情豊かになっていきます。見た目も中身もすべてが凸凹、そんな二人のちょっとピュアで可愛いラブストーリーに心もキュンキュンです。
個性的な描きで、苦手だったという方もいらっしゃるかもしれません。ですがこの作品では、そんな方々も一度読んでしまうと、ドハマりしてしまう不思議な力があります。「読んでハマった」という方がとにかく多いです。他のBLには見られない独特の勢いがあります。中毒になるほどの魅力です。少しでも興味が湧いた方、ぜひ一度読んでみてください。
『純情ロマンチカ』については<漫画『純情ロマンチカ』の登場人物徹底紹介!『純情エゴイスト』なども!>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
- 著者
- 日高 ショーコ
- 出版日
- 2009-03-25
父も母も死別した10歳の久世暁人が頼れるのは、父の遺言にもあった「桂木」だけでした。父に言われた通り桂木に従い、少しでも気に入られようと努力しますが、彼は冷たいままです。他人には笑顔を見せるのに、なぜ自分だけと困惑する暁人。そんな暁人に対し、自分の主人は先代だけだと桂木は言い放ちます。二人の重々しくも切ない関係を、幼少期から青年になるまでを描いた作品です。
話が進むごとに変化していく、二人の関係性に注目です。特に、初めはピュアで素直だった暁人が、桂木を自分に繋ぎとめるために、どんどん強かになっていく姿は見物です。冷静沈着な桂木も、そんな暁人に引きずられるように、感情を露わにしていきます。7巻にわたり、じっくりと二人の関係性を描いているので、ストーリー重視の方にも、十分満足していただける作品です。
- 著者
- 彩景でりこ
- 出版日
- 2013-09-17
昔から大事なものは、幼馴染のタケに分け与えてきた拾。そんな拾の喜ぶ顔が嬉しくて、受け取り続けるタケ。それは物だけにとどまらず、恋人に至るまで共有しようとします。そんな拾に告白したミネは、「共有」のことなど知りもしません。拾は言います。タケを自分と同じように思ってほしいと。拾にずっと恋焦がれていたミネは、タケを受け入れる決意をします。
始まりからして歪な関係です。タケも拾の行為を「歪な好意」だと認識していますが、口に出すこともなく、流されるままです。そんな二人の関係に、振り回されているミネでしたが、身体は許しても、心だけは拾を一途に思い続けています。一途なミネを見ている内、タケと拾にも今までとは違う感情が徐々に出てくるのです。様々な思いが絡み合い、彼らは彼らなりの円満な結末を探し出します。
『同級生』は男子高校生の初恋を描いた恋愛物語です。2016年2月に劇場版アニメが公開されました。最終的に全国60か所以上の映画館で上映されるなど注目を集めた作品です。
高校2年生の草壁光はクラスで合唱祭の練習をしていた時、クラスメイトの佐条利人が歌っていないことに気付きました。最初はやる気がないのかと不快に思っていた草壁でしたが、偶然放課後の教室に残り一人で練習している佐条の姿を見つけるのです。
実は佐条は歌が苦手で、クラスでの練習の時は邪魔にならないようにしていただけで、本当は克服しようと頑張る努力家でした。そんな佐条に感化された草壁は練習に付き合うようになります。それまで話すことすらなかったふたりが同じ時間を過ごす中で特別な存在になっていくのです。
- 著者
- 中村 明日美子
- 出版日
- 2008-02-15
草壁は明るくお調子者で、バンド活動もしているクラスの人気者。女性にモテますが恋をしたのは佐条が初めてで、ストレートに思いをぶつける素直な性格です。佐条は真面目で秀才、どちらかと言うとクラスでも地味な存在でした。そんな正反対なふたりですが互いを尊重し、自分に足りないものを補い合って過ごしていくのです。
音楽教師の原との三角関係が見どころのひとつです。原もまた佐条に片思いしていて、彼の行動のひとつひとつが草壁を嫉妬させてしまいます。勘違いでよく空回りしてしまう草壁ですが、素直に行動に移せる姿はとにかく真っ直ぐでひたむき。誰もが応援したくなるキャラクターです。
『同級生』はお互いに惹かれ合っていく過程がゆっくりと丁寧に描かれているので、キャラクターと一緒に違和感なく時間を追っていけます。登場人物の心の動きが分かりやすく、すんなりと物語に入っていけるでしょう。ただ純粋にふたりの恋心を描いた品のある話なので、BL初心者におすすめしたい作品です。
- 著者
- ヨネダ コウ
- 出版日
- 2008-09-01
嶋が新しい職場で出会ったのは、二日酔いで出勤するどうしようもない上司・外川。図々しい印象でしたが、何気ない彼の気遣いを知り、なんとなく気になる存在になります。一方の外川も、嶋の素直さを気に入り、よくちょっかいをかけるようになり、徐々に惹かれ合った二人は、勢いに任せ一線を越えてしまいます。
この作品には、過剰な表現は一切ありません。誰かを救い上げられるようなヒーロー、もしくは王子様も現れません。話の中にいるのは、自分の日常を生きている普通のサラリーマンです。なのに、彼らの一つ一つの挙動に胸を打たれます。一歩間違えれば、単調すぎてしまう設定なのに、ここまで読み応えのある作品に仕上げた、作者の表現力の豊さに脱帽です。
お互いにトラウマを抱えたサラリーマン同士が、理性と感情に振り回されつつ、二人の関係を築き上げていきます。そっと静かな場所で、じっくりと読んでいただきたい作品です。
いかがでしたでしょうか。一つでも気になる作品があれば幸いです。今回のご紹介した作品をきっかけに、それぞれの作者が出している他の作品も、この機会にぜひ読んでみてください。好きな作品がまた一つ、二つと増えていくこと間違いなしです。