3位:あの有名な名文から始まる作品!
3位は『平家物語』。平家の繁栄そして没落を描いています。鎌倉時代から室町時代にかけて歴史上の戦いを題材に書かれたものを指す、軍記物語の傑作の1つです。
- 著者
- バラエティ・アートワークス
- 出版日
- 2012-06-30
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす」(『平家物語』より引用)
この名文を、誰もが見聞きしたことがあるはず。しかし平家物語をしっかり読んだことのある方は少ないのではないでしょうか。漫画にすることで、わかりやすく、そしてとっつきやすくなっているので、楽しく歴史を知ることができますよ。
絵も癖がなく読みやすい印象なので、子どもから大人まで、歴史の入門書としておすすめの1冊です。日本の歴史、その時代の人々が生きてきた証とも言えるそれが、フィクションに負けず劣らずの面白いものであることがきっとわかるでしょう!
2位:孤独な男の生涯を綴った作品
2位は太宰治が亡くなる直前、最後に書き上げた自伝的小説、『人間失格』。
気弱で、世間や人を恐れて孤独に生きる主人公、葉蔵。愛されたいと願いながらも人を恐怖し、日々苦悩する彼の生涯を自身の手記という形でつづった作品です。
- 著者
- ["太宰 治", "バラエティアートワークス"]
- 出版日
- 2007-07-01
「人間がわからないのです ただ おそろしいのです」(『人間失格』より引用)
一番近くにいる人間、家族ですらなにを考えているのかわからない。人がただただ恐ろしい、そんな自分は変人だから嫌われないためにも、それを悟られてはならない。
主人公の葉蔵が皆に愛されて生きるために選んだのは、道化を演じることでした。そしてお茶目に、人を笑わせ、無邪気を装っているうち、葉蔵は本当のことを言わない子、拒否ができない人間に成長してしまうのです。その弱さ、もろさが淡々と語られているにも関わらず、痛いほど伝わってきます。
上手く生きられず、自分は人間を失格したのだという思いに至るまでの葉蔵の波乱の人生を、彼の手記を読んでいく形で知ってみてください。誰しもが感じることのある、人と関わることに関する不安、恐怖……。自分だったらどうする?と、思わず考えさせられる作品です。そしてあまりに孤独な男の生涯に、心を揺さぶられることでしょう。
1位:エゴ、倫理観との葛藤。人の心が抱えるものを描く
1位は夏目漱石の代表作、『こころ』。
語り手の「私」が出会った「先生」は、豊富な知識を持っているにも関わらず仕事をせず、美人の妻と隠居生活を送っていて、人を信じていない人間。そんな「先生」の壮絶な過去が遺書という形で描かれます。
- 著者
- ["夏目 漱石", "バラエティアートワークス"]
- 出版日
- 2007-07-01
「私は……人間全体を信用していない」(『こころ』より引用)
そう言い放つ影のある人物、「先生」には壮絶な過去があったのです。それが遺書という形で明かされるのですが、人間のエゴ、葛藤、心の闇が実にありありと描かれています。「先生」の過去から、人間とは一体?と思わず考えさせられることでしょう。
明治という時代背景と、その時代の精神、そういったものも大きく作品に反映しているため、『こころ』が執筆された時代背景も想像して読んでみてください。いつ読んでも、古くささはありません。現代に通ずる人間の心を描きだした、まさに名作です。
子どものうちは、わかりにくいかもしれません。年齢を重ねるうち、感じるものが増えていくことでしょう。だからこそ、何度も読み返したくなるのです。