あらすじ
田舎で暮らしていたすずめは両親の仕事の都合で東京に住む叔父の諭吉のもとにあずけられることになります。諭吉の家までの道すがら、不慣れな土地に迷ってしまうすずめ。諭吉が営むカフェの常連客、獅子尾に助けられます。翌日新しい学校に登校すると、そこには獅子尾の姿が。彼はすずめの担任だったのです。担任であり、住んでいる家が営むカフェの常連ということもあり、すずめと獅子尾は徐々に仲を深めていきます。
慣れない都会暮らしで不安に思うこともあるすずめですが、獅子尾のおかげもあり少しずつ友人を増やしていきます。となりの席になった馬村はクールなようでいて、実は女性恐怖症なだけ。美少女のゆゆかは実は毒舌で腹黒い、でも面倒見がいい。みんな本当は優しく、すずめは少しずつこの土地に馴染んでいきます。
しかし、人間関係は複雑に。ゆゆかは馬村を、馬村はすずめを、すずめは獅子尾を好きになってしまうのです。そして獅子尾は……?
- 著者
- やまもり 三香
- 出版日
- 2011-10-25
『ひるなかの流星』は、やまもり三香の可愛いイラストで展開される、先生と生徒の甘酸っぱい恋愛漫画。登場人物それぞれがなかなか素直に相手に想いを打ち明けられず、見ていて切なくなってしまいます。
好きな人が、自分以外の人が好き。しかも主人公のすずめが好きになったのは担任の先生。余計に想いを隠すしかありません。
なかなか両思いになれない様子は、ままならない恋をしたことのある人誰もが共感できるものではないでしょうか。今回はそんな切ない恋愛漫画『ひるなかの流星』を、各巻の名シーンとともにご紹介します!ただし若干のネタバレもあるのでご注意を。
『ひるなかの流星』1巻はここにキュン!<非日常 in カーテン>
まず要チェックの名シーンは、1巻の6話にあります。おしゃれにあまり興味が無く、ださすぎるすずめを、放課後、ゆゆかがイメチェンしたときのこと。その変身っぷりはすさまじく、友人たちは驚きながらも可愛いと褒めてくれます。嬉しくなって浮かれるすずめ。みんなでプリクラを撮ろうとなり、すずめは教室にカバンを取りに走ります。
ちょうどその時、教室に獅子尾も戻ってきてしまうのです。からかわれる!と慌てるすずめ。隠れる場所がなく、カーテンに入り込みますが、すぐ見つかります。更にダサい靴下のせいですずめだとバレてしまい、カーテンをめくられて……。
出典:『ひるなかの流星』1巻
しかし獅子尾はなんの反応も見せません。それに少しがっかりするすずめ。そしてそのがっかりした自分に、獅子尾に対する想いが少しずつ変化していくのを感じるのです。担任の先生から一歩踏み込んだ淡い気持ち。
一方その頃、獅子尾はタバコを吸いながら「………あれはビビるわ」とつぶやくのです。
古くは平安時代ののれんで女性が異性から顔を隠す仕草、現代ではカーテンの中でのキスなど、外界を隔てる1枚の布があることによって様々な恋愛シーンが盛り上がってきました。「いつも」から離れた「非日常」がそこにはあるのです。
『ひるなかの流星』ではこのカーテンをめくる1ページで、いつもとは違ったすずめと、教師と生徒の関係から少しずれた瞬間、ふたつの非日常の空気感がダイレクトに伝わってきます。その舞台が学校という日常感満載の場所なので余計にキュンキュンしてしまう名シーンです。