実況プレイヤーが自分を実況をするハメに!『ナカノヒトゲノム【実況中】』
主人公たちは「ナカノヒトゲノム」というフリーゲームの実況をしていた時に、ゲームクリアによってゲームの世界へと連れ込まれてしまいます。このゲーム世界のリアル実況を行い、再生数一億ビューを達成することが唯一の現実への帰還方法。彼らの再生数を増やすための戦いが、今始まります。
主人公、入出アカツキは脱出ゲームを得意とする少年。花粉実況などでゲーム実況主として人気を得ていた彼は、ある日実況プレイしていたナカノヒトゲノムというフリーゲームをクリアしたところ、画面におかしな文章が表示されているのに気づきます。その内容は、選ばれた実況プレイヤーであるあなたに、クローズドステージのプレイ権限を与えるというもの。
「これよりお迎えに上がります」(『ナカノヒトゲノム【実況中】』より引用。)
このセリフとともにゲームの中に引き込まれたアカツキは、同じようにゲーム世界に連れてこられた他の実況者たちとともに、この世界をリアル実況することになるのです。彼らの目標は再生数一億ビューを達成すること。果たして彼らは無事に目標を達成し、ゲーム世界から脱出することができるのでしょうか。
- 著者
- おそら
- 出版日
- 2015-06-27
アカツキたちが引き込まれてしまったナカノヒトゲノムという世界は、巷では失踪ゲームなどと噂され、実際に少年少女たちの失踪事件も起きていました。そしてゲーム世界の案内人パカが語るところによれば、実際にケガもすれば死にもするという世界。巨大な生物との戦いもあり、まさに命を賭けたデスゲームなのです。
そんなゲーム世界で、引き込まれた8人の実況者たちは、それぞれが得意とする分野を駆使しながら、ひとりひとりに課せられた一億ビューという目標を達成するため再生数を稼いでいきます。
与えられたテーマに対し、各々が個性を活かしながら、人とは違うやり方で再生数を稼いでいくところが最大のポイント。ある女の子は入浴シーンを見せることで再生数を稼いだりします。8人それぞれが非常に個性的なキャラクターですので、必ずひとりはお気に入りの人物がいるはずです。
デスゲームと表現しましたが、作品の雰囲気はそれほど重くはありません。ギャグも多めで、そのところどころにシリアスな場面を挟んでくるようなストーリー展開となっています。冒頭から謎の多いお話ですし、それらが明かされていくストーリーも見応えバッチリ。WEBで気軽に見れるからといってあなどれない、読み応えのある作品です。
『ナカノヒトゲノム』については<漫画「ナカノヒトゲノム」の魅力を全巻ネタバレ考察!アニメ化決定!>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
ハラハラする展開。謎の事件から始まるサスペンスホラー『ヒト喰イ』
2010年のWEB投稿漫画から始まり、2014年にリメイク版が正式に連載開始となった作品『ヒトクイ』のスピンオフ作品。世間を騒がせる謎の集団突然死事件。その元凶であるヒト喰イという存在を巡る物語です。
世間では、謎の集団突然死事件が大きなニュースになっていました。全く無関係の人々が、同時刻に突然心臓麻痺を起こし死亡してしまうというこの現象。謎多き一連の事件はすべて、ヒト喰イという存在が引き起こしているもので、本作品の主人公、研修医の佐々木アキラは、このヒト喰イに関する事件に巻き込まれていきます。
- 著者
- 太田 羊羹
- 出版日
- 2012-12-18
『ヒトクイ』、『ヒト喰イ』、『ヒトクイ-origin-』など、本作品に関連する作品の位置づけなどは少々わかりづらいかもしれませんので補足説明をしましょう。まず、元々WEBコミックの投稿サイト新都社に登録されていたのが本作品の原作となる『ヒトクイ』という作品です。原作者はMITA。そしてその後「裏サンデー」で『ヒトクイ』のスピンオフという形で連載されたのが、作画を太田羊羹が担当する『ヒト喰イ』。ここでご紹介している作品です。
さらにこの後に『ヒトクイ-origin-』という作品が連載開始され、作画は引き続き太田羊羹が担当しています。本作品は『ヒトクイ』に登場していた佐々木アキラという人物を主人公として描かれていますので、スピンオフ作品という位置づけになるわけです。
物語は最初、主人公アキラが事件に巻き込まれていくだけのパニック映画のような展開です。しかし、徐々に謎が明らかにされ張り巡らされた伏線が回収されていくと、彼は次第に謎を解き明かすために行動を始めます。研修医という肩書からか、常に患者を救うということを行動理念にしている部分があり、その一貫性のある姿には好感が持てます。このアキラという主人公の人柄自体が、本作品の見どころのひとつとなっているのは間違いないでしょう。
ストーリーはサスペンスです。いつ誰が死んでもおかしくない状況で、アキラを中心とした人物たちが追い詰められていくお話にハラハラドキドキする。ヒト喰イという謎に包まれた存在もどんどんその姿をあらわにしていきますし、終盤にはアキラ自身の謎も明らかにされ、衝撃的な展開が待っています。
スピンオフ作品でありながら本編より先に完結しているところも珍しい点です。謎解き部分を、細部にわたってしっかりと把握したい方は『ヒトクイ』と合わせて読むことをおすすめします。より一層深い楽しみ方が出来るはずです。
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WEB漫画で読む、宇宙スペクタクル『鉄腕アダム』
舞台は戦争や大気汚染が深刻となった終末世界。地球は、宇宙からくる「蝶」と呼ばれる謎の存在により滅亡の危機に瀕してしまいます。地球の存亡をかけ蝶を撃滅するため、感情を持ったヒューマノイド、アダムの戦いが今幕を開けます。
海洋汚染が深刻化し、動植物は絶滅の一途をたどる世界。人類が新天地を目指し火星への入植を始めているそんな時代に、宇宙の彼方より蝶と呼ばれる謎の存在が飛来します。全長30メートルを越えるほどの巨大な怪物と渡りあえるのは、人間と同じような感情表現ができるAIを搭載したヒューマノイド、アダムだけ。この物語は、彼と蝶との、人類の存亡を賭けた戦いを描く作品です。
- 著者
- 吾嬬 竜孝
- 出版日
- 2016-09-02
この作品を一言で表現するならば「引き込まれる」。この言葉に尽きます。冒頭から謎の巨大生物との激しい戦闘シーンが繰り広げられ、まず最初に、なんでこんな戦いを?あの巨大な蝶のような生物はなんだろう?敵を倒したのは何者だろう?という疑問が次々に浮かんでくるのです。この時点ですでに作品の世界に引き込まれてしまっています。
そこからさらに、世界背景などが解説されふたりの中心人物が登場します。淡々とふたりによる会話が続けられ、話の内容から作品の世界観が徐々にわかっていき、冒頭で登場したアダムという男が何者なのかもだんだんとわかっていくのです。多くの疑問を抱かせ、その疑問をゆっくりと解いていってくれる、そうやって読者を引き込み、それが本作品の魅力をつくるひとつ目の大きな要素です。
ストーリー構成の他に、読者を引き込んでくれる大きな要素がもうひとつあります。それは要所に張り巡らされた伏線です。ただ単純に謎めいた事柄を並べているだけではなく、計画的に物語のプロットを組み上げています。荒廃した世界やアダムのAI、前後に起きた事件の真相や、度々登場するSFチックな用語の数々。それらすべてが的確に組み上げられているのです。
作中には注釈や科学に関するミニ講座などもあり、非常にわかりやすく解説されていますので、スルスルと紐の結び目が解けるように話が理解できます。複雑に伏線を張り巡らせながらも、読者にわかりやすく解説してくれる、この親切さが話に引き込んでくれるふたつ目の大きな要素となっています。
大きなふたつの要素によって物語に引き込んでくれる本作品は、SFというジャンルに特化した作品でもあります。宇宙、科学、未知、こういったものに刺激を得ることができる読者の方ならば、まず間違いなく楽しめるでしょう。