「自分を変えたい」と思う瞬間、それはきっと他人とのコミュニケーションを通じて感じることが多いのではないでしょうか? 変えたいのは「自分」なのか「環境」なのか、それによって違った選択肢が出てくるかと思います。ですが、なんだかんだいってそんな簡単に自分も環境を変えることってできないんですよね。というよりも、やっぱり変わりたくないなと思ってしまう自分もいたりするんです。今回は「変わりたい、けど変えたくない」、そういう形容しがたい状態とどう折り合いをつけていくかを教えてくれている本を3冊紹介します。

『アルジャーノンに花束を』は、1950年代のアメリカ・ニューヨークを舞台に、主人公・チャーリイ・ゴードン自身の視点から見た世界が描かれています。知的障害をもったチャーリイはある日、知能指数を高める脳手術を受けることになり、IQが68から185まで上昇していきます。初めて知ること、感じることがたくさん増え、葛藤しつつも充実した日々を送るようになっていくのですが……。
- 著者
- ダニエル・キイス
- 出版日
- 2015-03-13
『ベロニカは死ぬことにした』の主人公・ベロニカは、若さ、美しさ、安定した仕事、ボーイフレンド、愛してくれる家族、不自由のない生活をしていましたが、なんとなく続く日々に嫌気がさして自殺を図るも失敗。その後遺症で余命一週間と告げられます。彼女が収容された精神病院にはいわゆる「狂人」(多重人格者やパニック障害者、鬱病患者)しかいません。しかし、彼らと接してきくうちに、人生の価値とは何か、幸せとは何かを模索していくようになり、初めて「生きる」ことを求めます。
- 著者
- パウロ コエーリョ
- 出版日
- 2003-04-25
『下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん』は、茨城県下妻市を舞台とした孤高のロリータ・竜ケ崎桃子とちょっとお馬鹿なヤンキーの白百合イチゴ(イチコ)の二人の間に芽生える友情を描いた青春物語です。以前嶽本野ばら氏の作品をいくつか紹介しましたが、それらとは例外的にだいぶ砕けた文体になっています。2004年に映画化もされ、「友情」を軸とした青春映画として紹介されることが多いのですが、小説はどちらかというと「人との繋がれなさ」とどう向き合っていくか、というところにテーマが集約されています。
- 著者
- 嶽本 野ばら
- 出版日
今回はちょっとずつ違う「人との繋がり方」を提示している作品を3つ紹介しました。生きているうちは良くも悪くも人と関わっていかなければなりません。でも、そのなかで自分をどう保っていくかは重要なことだと思います。変化するのか、しないのか、はたまた変わらないために変わるのか。今回のタイトルにも使っている「『変わらない』ために『変わる』」というのは、「自分の矜持(プライド)を保ち続けるために変えるべきものは変える」、というスタンスを指しています。自分がどう人と向き合っていくか、年末年始を通してちょっと考えてみてはいかがでしょうか?