千葉県出身の漫画家、沙村広明。各所で絶賛される高い画力と、シリアス、コメディー、エログロ、アクションなどジャンルを選ばないその多彩な作風は海外でも人気を誇っています。今回はそんな沙村作品からおすすめの5作をご紹介していきます。

- 著者
- 沙村 広明
- 出版日
- 2016-08-23
奇抜な服装や武器を見ると、どうにも江戸時代が舞台の時代劇とは思えない本作。大元となったのは、沙村がコミカライズした、谷崎潤一郎の『刺青』だそうです。その絵を見た編集者が「時代劇を描いてみたらどうか」と言ったことで『無限の住人』が作られたという経緯があるそうです。
『刺青』の絵からスタートした漫画だけあって、この作品に登場する女性キャラクターはとても官能的です。「女性をどこから見るかが一番好きかというと、背中から腰にかけての何もないライン」(ダ・ヴィンチ2017年4月号より引用)と沙村本人が公言しているだけあって、この作品に登場する女性キャラクターはエロチックに、そして強い剣客として描かれています。またアクションを描ききった決めのシーンは、浮世絵のような一枚絵であることが多く、それがこの漫画にただのバイオレンス漫画にはない美しさを醸し出しているのです。
『無限の住人』については<原作『無限の住人』5分でわかる6つの魅力!不老不死の隻眼剣士が大立ち回り【全巻ネタバレあり】>で詳しく解説しています。
まず「筒井筒」のあらすじは、以下のようにまとめられるでしょう。ひょんなことから地球に遭難してしまった宇宙人のカップル。13年間身を潜め続けたかいあって、ようやく母性から救助艇が来ることになったと通信が入ったのは良いものの、その救助艇は1人乗り。通信を聞いた男の取った行動と結末は……。結末が秀逸な作品なのであえてオチは書くのを控えますが、日本人なら誰でも知っている昔話を題材にした、驚愕の前日譚となっています。
- 著者
- 沙村 広明
- 出版日
- 2014-03-26
沙村作品のバイオレンス、グロテスクといった要素を最大限に描ききったこの作品は、あまりにもえげつない内容と、各話でピックアップされる少女たちへの救いのなさから、好き嫌いがはっきりと分かれる作品でしょう。しかしだからこそ、最終話で描かれる結末はこれ以上ないほどのカタルシスをもたらしてくれる1冊に仕上がっているのです。
- 著者
- 沙村 広明
- 出版日
- 2007-12-18
特に本作でおすすめしたいポイントは、登場人物たちの織り成す怠惰でリアルな大学生事情です。「俺ってこんなことでいいのかな」「あの人との関係をなんとかしたいな」と心の片隅で思いつつ、飲み会で酒を飲みまくり、酔っ払い続け、就職活動はなんとかして回避したい……。そんな大学生活を送ったことのある人なら、すぐにこの作品の空気に懐かしさを覚えると思いますよ。
- 著者
- 沙村 広明
- 出版日
- 2002-06-19
本作の魅力は、主人公ミナレに集約されていると言い切っても過言ではないでしょう。彼女はサバサバとした女性であるが故に駆け引きができず、また惚れる男もダメンズばかり。しかし彼女自身も、好意をもたれている男性に対して「私が本当の意味で食いつめた時、再びお前の前に現れるだろう」(『波よ聞いてくれ』より引用)と言ってしまうなど、むしろさばさばを通り越して彼女もダメな人なのではないか?と思わされるような人物です。
- 著者
- 沙村 広明
- 出版日
- 2015-05-22
いかがだったでしょうか。美術大学卒の裏打ちされた実力で描かれる絵と、テンポのよいギャグや耽美的なエロチズム、美しさすら感じるバイオレンス描写など、多岐にわたる作風が沙村作品の魅力です。ぜひこの機会に沙村広明ワールドに、足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。