3位:世界と僕は豚をとおして繋がっていく!
イサオは少しだけご飯を残す癖を両親に咎められ、その度に引き合いに出される難民の子ども達の話を聞きながら、悲しい気持ちの中、残飯を豚に与えて世界のめぐまれない子供たちに届けようと思いつきます。
イサオは近くの養豚場で子豚を勝手に失敬してきますが、両親に怒られ、反対されて泣く泣く養豚場に子豚を戻しにいきました。養豚場の主人は、一人で返しにきたイサオの心意気とその理由に感心し、子豚に名前を付けるよう促します。ブーちゃんの誕生です。その日からのイサオにとってブーちゃんに残飯を持っていくこと(育てること)は人生の一部、イサオの一部となっていって。
- 著者
- ほし よりこ
- 出版日
- 2014-03-28
子どもの頃、一度は聞かされた事があるような「もったいない。世界中にはね……」の言葉の先にスポットをあてています。生きていく上で、生き物を食べるということは切り離せません。食事という意味を考えさせられる物語です。
ブーちゃんを食料にすべきだったのか?答えがわからないままのイサオが新たな夢を模索する中で、現実に直面し受け入れていく姿は、全ては考え方ひとつなのだと素直に思わせてくれます。そして、物語にアクセントをくわえる同級生佐倉夕子のシュールな一言。
「私、何だか……酢豚が食べたくなっちゃった」
(『僕とポーク』より引用)
2位:何でもないの、本当に。でも悲しいがわからない。
主人公は、東京でカッコイイパパとカンペキなママの素敵な家族を絵にかいたような家庭の一人娘、りく。りくは、美しく、少しミステリアスでクラスメートからも特別な存在として扱われ、自分でもそれを自覚しています。
はたから見れば幸せそのもののりくですが、パパの不倫問題やママとの関係など複雑な家庭問題を抱えています。涙を自由に操れ、人生を都合よく生きているりくですが、涙を流せても悲しいという気持ちがわからず、動物をかわいいとも思えません。悲しいとは、かわいいとは、傷つくとは、どんな気持ちなのだろう……。
そんな中、母親との関係の破綻から大嫌いな関西で暮らすことになります。大嫌いな関西弁や父方のおせっかいでうるさい親戚、東京と関西の文化の違いにふれながら、りくは変わっていきます。
- 著者
- ほし よりこ
- 出版日
- 2016-09-02
東京と関西というわかりやすい対比を通して、多くの事を感じさせる作品です。
一人っきりで生きていないのだから、個性も自分を取り巻く人たちの中での価値観に左右されるものであり、だからこそ自分を持つには、自分の気持ちを理解し、受け入れるところから始めなければいけないのだと気づかされます。人は自分をみつけるためにも他人と関わっていかなければならないのかもしれません。もう一歩先へ踏み出す勇気を与えてくれます。
1位:一家に一匹、猫村さん!
猫なのに家政婦の猫村さんは、シェフ並みの料理の腕に、掃除・洗濯・お買い物までこなすスーパー家政婦です。マッサージまでプロ並みの猫村さんは愛するぼっちゃんのいる外国へ行くため、お金を稼ごうと村田家政婦紹介所の門をたたきます。
スーパー家政婦ぶりを認められ、採用された猫村さんが派遣されたのは犬神家。由緒ある大きいお屋敷と優しい奥様を見て張り切る猫村さんですが、反抗期の娘さんや夫婦の問題、秘密の部屋など一筋縄ではいきません。
心優しい、少々おせっかいな猫村さんの犬神家でのご奉公が始まります。
- 著者
- ほし よりこ
- 出版日
- 2008-10-01
猫村さんがいい猫すぎて、本当に自分の家に来てくれないかな?と思うこと間違いなし。ネーミングや、シャンプーハットの使い方、二足歩行などツッコミどころ満載なのに、なぜかすんなり納得してしまうのは、猫村さんの思いがしっかり見えるからかもしれません。
愛情と家政婦としての責任を持って、仕事をする猫村さん。時々垣間見る、猫らしさに癒され、いつの間にか猫村さんファンになってしまします。そして何はともあれカワイイ!!この一言につきます。