幕末といえば新選組が好き、という人も多いと思います。新選組の中で誰が好きかということも話題になるかもしれません。今回は新選組関連本の中でも、主要人物以外にスポットが当たっている本を中心に集めました。ぜひ新選組の新たな魅力を発見してください。

おすすめは土方歳三が亡くなってからの時代を描いた後半の4編です。特に市村鉄之助の『五稜郭の夕日』は切なくて涙がにじみます。鉄之助は歳三について函館まで行った少年隊士で、歳三の遺言や遺品を預かった人物です。歳三のいない世界に生きていても仕方がないというように生き急ぐ様に、読んでいて胸が痛くなります。
- 著者
- 中村 彰彦
- 出版日
本書には多くの資料ものせられていて、読み解こうと思うと大変です。出版された時代が昭和初期ということもあり、文章も読みにくいものです。しかし本当の歴史がこの中にあると思うとわくわくしてしまうことでしょう。作者はすべてが史実ではないと言っており、フィクションも含まれています。それも含めて物語としての面白さが出来上がっているといってよいでしょう。
- 著者
- 子母沢 寛
- 出版日
- 1996-12-18
近藤勇、土方歳三から見た新選組というのはよく描かれますが、普段主役とはあまりならない人物からの新選組の衰退というのは、視点が変わって興味深く読めます。もともとはとても尊敬していた近藤勇が、隊が大きくなるにつれて態度が変わってきたことに対して、新八は不満に思います。原田左之助と近藤の悪口を言うシーンは、隊士たち全体の心を表していると感じられ、新選組の行く末を暗示させているようです。
- 著者
- 池波 正太郎
- 出版日
- 2004-01-10
沖田総司が好きな人には「菊一文字」「沖田総司の恋」がおすすめです。どちらも総司には死が近づいてきています。その中でどのようにいきるのか、死をどう覚悟していくのかということが胸に熱く迫ります。「菊一文字」ではやはり人斬りであった凄腕剣士の総司を改めて認識できますし、「沖田総司の恋」は血なまぐさい新選組の中のオアシスのような話です。恋の切なさは時代を問いません。
- 著者
- 司馬 遼太郎
- 出版日
- 2003-11-22
語られた彼の最期はまさに、「義」の為に尽くし、「義」の為にこの世を去った武士そのものでした。吉村は裏切るつもりでは無かった、しかしそうせざるを得なかった時代。時代に翻弄されながらも、最後の時まで自身の生きた道に「おもさげながんす」と許しを請う吉村。それはあまりにも優しすぎ・不器用過ぎた男の最期でした。
- 著者
- 浅田 次郎
- 出版日
本書では事件の概要というよりも心情描写に重きがおかれています。その時その時の隊士たちの気持ちが描かれているのです。事件だけではなく、例えば近藤勇や土方歳三に対する印象もそれぞれ違うので、人物が多面的に見えてきます。人格者に見えたり無能に見えたりする近藤勇。実は誰からも認められている土方歳三というように実像が掴みやすいといえるでしょう。
- 著者
- 木内 昇
- 出版日
- 2009-12-16
多くの隊士を抱えていた新選組。それぞれに読みごたえのある人生がありますね。激動の時代を懸命に生きた彼らの魅力はつきません。