廃墟に魅了された私。
その昔、わちゅ~君という可愛らしい少年がいました(15年前ね)。小6で音楽に目覚めるまで、泣く子も黙る生粋のゲーマーだった彼。夏はタンクトップ姿でアイスを食べながら、冬はファンヒーターの前で鼻水を垂らしながらゲームに明け暮れた日々。
そんな可愛らしいわちゅ~少年は、RPGが大好きでした。当時ハマっていたゲームは、「ファイナルファンタジーⅧ」。そんなある日、いつも通りゲームを進めていると、とあるステージに辿り着きました。そのステージを観たわちゅ~少年は、「なんじゃこの美しいステージはぁあぁあぁああぁあああっ!!!!」と、その場で開脚前転をぶちかますほどの衝撃を受けました。
そう!! そのステージとは、かの有名な「名もなき王の墓」!(大多数の方が知らないと思うのでレッツ検索) 朽ち果てた建物、隙間に差し込む光、ボロボロの石畳、水路を流れる透き通った水、そこに生える青々とした苔。美しい!!! これぞまさに芸術!!! いとをかし!!!
その当時「ファイナルファンタジーⅧ」は、PlayStation史に残る美麗なムービーと謳われたほどのグラフィックを誇り、世間をあっと言わせました。その美しいグラフィックで観たステージは、まさに芸術。ここから、私の廃墟好きの人生が始まりました。
そーんな廃墟の魅力をぜひ皆さんにも味わって頂きたいと思い、今回ご紹介するに至ったわけでございます!! もちろん、私のように廃墟を愛する人がいる一方で、苦手に思われる方もいらっしゃると思います。ですので今回は、おどろおどろしい雰囲気の本から、優しく親しみやすい本まで幅広く揃えてみました。ぜひとも興味を持って頂ければ幸いでございます。それでは、ひあうぃーごー!!!
あ、ちなみに私の好きな廃墟は、日本国内ですと「麻耶観光ホテル」(通称:マヤカン)。海外ですと、イギリスにある「Hafodunos Hall」あたりが好きです。チェケラッ!!
それともう一つ、私が密かに抱いている夢は、上記のような緑に囲まれた廃墟の中で読書をすることです。むふふ。
流転 緑の廃墟
- 著者
- 出版日
- 2015-02-26
廃墟をご紹介するならば、やはりビジュアルは欠かせません!! 朽ちた建物やその景観は、魅力の大黒柱といっても過言ではありません。この本は、その中でも「緑に覆われた廃墟」に焦点を当てた写真集です。かなーり物々しい雰囲気でございます。今回ご紹介する5冊の中でも、一番おどろおどろしい本かもしれません(ちなみに私の愛読書)。もしこの写真集が好きであれば、あなたは廃墟好き決定です。キラッ。
廃墟と一括りに言えど、そのバリエーションは非常に豊富。学校やホテル、工場といった建物に加え、遊園地や線路、鉱山、船など、その種類は多岐にわたります。また、それらは山の中であったり砂漠であったり、はたまた海の中であったりと、様々な場所に存在してします。
私はその中でも特に、植物に浸食された廃墟をこよなく愛しています。元々、廃墟の多くは何かしらの目的を持って作られたもので、いわば人から必要とされる存在。しかし、ある日を境に見捨てられ、ほったらかしにされることによって、廃墟へと成りかわってしまうのです。建物にとって、必要とされなくなり放置されること、それはつまり「死」を意味します。人の手が加えられなくなれば、どんどん風化が進み、朽ち果てていきます。
すると、長い年月をかけて草木が生い茂り、蔦が絡み、朽ちていく建物を植物が侵食していきます。その力は絶大です。植物は生きています。その「生」が、廃墟という「死」する存在を侵食していくのです。神秘的!! 廃墟ファンの間では、このように緑に包まれていく現象を「ラピュタ化」といいます。植物と廃墟の共存、そのコントラストが非常に魅力的なのです。
この写真集には、緑に包まれた廃墟がたっぷりと掲載されています。日本国内の廃墟が多く取り上げられていますが、2か所ほど国外の写真も載っています。ちなみに私のお気に入りは、28ページと68ページ。ぜひご覧になってください!!
廃墟建築士
- 著者
- 三崎 亜記
- 出版日
- 2012-09-20
独創的、かつ奇想天外な世界観で知られる三崎亜記さんの小説。短編集となっており、全4作が収録されています。今回ご紹介する5冊の中で、個人的に最もおすすめしたい作品です。
三崎亜記さんの発想力は尋常じゃありません。まず、設定が非常にシュール。飛躍しています。シュールすぎる設定のため、はじめのうちは「へっ!?」と驚かされますが、一度入り込めれば気に入って頂けること間違いなし! とはいえ、かなり飛躍しているが故に、好き嫌いがはっきり分かれてしまう作風でもあります。
一言で形容するならば、現実と非現実の織り交ざったファンタジー。理屈を捨て、この世界観のまま楽しむことが重要です。
この小説に一貫して存在しているテーマは、何かを「守る」ということ。4話とも、各タイトルに出てくる「七階」「廃墟」「図書館」「蔵」に対し、信念を抱く人々が登場します。何かを守ることに命をかけた人々の物語は、グッとくるものがあります。どのお話も起承転結が明確で読みやすい! 設定のシュールさに関しては、自然と慣れてきます。……恐らく。
私の好きな収録作は、もちろん「廃墟建築士」。その魅力は二つ。一つ目は、廃墟を作ることを目的とする専門家「廃墟建築士」が存在していること。二つ目は、「連鎖廃墟」なる建物が存在すること。なんといっても、この連鎖廃墟が素晴らしすぎるのです!! まず、細長い平屋の建物が、同じ構造のままえんえん作り続けられます。すると時間の経過と共に、端の方から朽ちて廃墟と化していきます。
このように、一続きの建物に新築と廃墟が連続して存在しているのが「連鎖廃墟」なのです。ブラボー!! なんと革命的な発想ですこと!!! 端から歩けていけば、徐々に廃墟化していく様が見られるなんて、夢のような建物じゃありませんか!! 時間の経過をその眼で味わうことが出来ちゃうんです。まるで時空の中を歩いているかのよう!! 神秘的やーん。まさに秘境やーん。誰か、私と共に連鎖廃墟の素晴らしさについて語り合いましょう。
そんなこんなで、廃墟の素晴らしさを代弁してくれる一冊。表題作の「廃墟建築士」のみならず、他の3作も非常に味わい深いストーリーです。本書は「ありそうな話だが事実でない小説」ではなく、「ありえない話だが事実そうに思える小説」なのです。ぜひ皆さまにも読んで頂きたい!!