精密なデッサン力とリアリズムに徹し、作品を描き続ける作家池上遼一。彼が描く登場人物はどれも現実的で、男性も女性も常にリアル!今回は、そんな「男らしさ」や「女らしさ」にこだわり続ける作家の、情熱に満ちた作品の数々をご紹介します。

もともと舞台や人物を日本に置き換えるという基本路線があったのですが、連載を重ねるうちに徐々にオリジナル色が強くなり、後に完全な独自作品となりました。原作版のスパイダーマンが伯父ベン・パーカーの言葉を原点にヒーローとして奮起するのに対し、本作品の主人公小森ユウには、ベン・パーカーにあたる人物がおらず、ポリシーと呼べるものがありません。そういった意味では人物像も大きく変更されており、原作版とは全く違ったスパイダーマンとして楽しめる作品なのです。
- 著者
- 池上 遼一
- 出版日
- 2004-06-23
『殺し屋1』などで知られる、狂った世界観を描き出す作家山本英夫が描く奇抜な原作に、池上遼一が精密な作画を提供することで完成された本作品。クラブの一室のみで話しが展開されるストーリーは、余計な要素は一切使わず、必要な要素のみを使うことで、ふたりの鬼才が読者に語りたいことや見せたいものをしっかりと感じさせてくれます。本作品に描かれるのは暴力に対する美学や哲学。その内容は、スメルと呼ばれる男が作者を代弁するかのように作中で雄弁に語ってくれます。
- 著者
- 山本 英夫
- 出版日
- 2016-02-29
常にその時代の最高の美男美女を描き出す努力を続けているという池上は、本作品でも最高に美しい女性を描いてくれています。写実的というだけでなく、人物の表情を細かく表現し、現実よりもリアルに描き出すその画力は驚嘆に値します。昔から、くノ一といえばお色気というイメージですが、愛衣はお色気を担当しているだけの安っぽいキャラクターではありません。細やかな表情によって表現される彼女の心情は、生い立ちや今の状況などを踏まえた深い感情を物語ります。美しい絵によるエロティックなシーンも見応え十分とはいえ、しっかりと歴史ロマンとしての様相も呈している作品なのです。
- 著者
- 池上遼一
- 出版日
- 2015-08-17
非常に懐かしいストーリー構成をした本作品は、あの古き良き時代に一世を風靡した、王道のバトル漫画の様相を成しています。ただただ悪を尽くす神竜という敵に対し、正義を振りかざす陳家太極拳の使い手、流。そして彼を慕う仲間たちは五家宝連と呼ばれる猛者であるなど、いわゆる四天王のような立ち位置です。~拳という拳法の使い手であるというのもまたベタ設定。ベタベタすぎて今となってはあまり見なくなった人物設定ですが、こういった作品には、やはり王道設定が映えます。
- 著者
- ["池上 遼一", "雁屋 哲"]
- 出版日
- 1974-10-01
本当の姿は想像することしかできないであろう、政治や極道の世界を見事に描ききっている本作品は、裏と表であるにも関わらず、密接に繋がる両者の舞台裏を描く作品でもあります。非常にリアルに表現されている作品の内容は、実際の人物や団体をモデルにしているようにもとれますが、その辺は主観が入り交じる意見となるので割愛しましょう。ただしこのように、この人物のモデルは実在のこの人では!?といった側面から楽しむのも面白いかもしれませんね。
- 著者
- ["史村 翔", "池上 遼一"]
- 出版日
技巧の極致、精密作画などと形容される池上作品をご紹介してきました。彼のこだわる「リアルさ」は現実的という意味にとどまりません。漫画ならではの、ある意味、非現実的な美しさを描き出すことで、よりリアルな印象を与えるような手法をとっているのです。これらの紹介作品を読み、ぜひ池上遼一による匠の技を実感していただきたいと思います。