本能寺の変で織田信長を討ったことで有名な明智光秀。一般的には謀反人や悪人として語られることの多い人物です。そんな光秀は本当はどんな人物だったのか、なぜ本能寺の変を起こしたのか……。そんな謎に迫る本を5冊、ご紹介します。

1:一途な心を貫いた
幼少の頃、光秀は妻木家の美女姉妹の姉である煕子(ひろこ)と婚約を交わしました。しかし、煕子はその後疱瘡(ほうそう)を患ってしまい、顔に痕が残ってしまいます。煕子の両親は煕子とそっくりな妹を光秀の下に送りますが、光秀はそれを見破り、煕子を正室として迎えたのです。
2:極貧生活を送っていた
光秀が流浪の日々を送っていた頃、知人が訪ねてきました。職に就いていなかったため貧しかった彼は、どうもてなそうかと悩みます。
そこに煕子が来て「私に考えがあります。」と家を出て、しばらくして彼女は酒と肴を持って帰ってきました。
光秀は喜んで知人を接待しますが、後でどう工面したのかと煕子に聞くと、彼女は髪を売ってお金に変えたと頭巾を取って光秀に痛々しい髪を見せます。光秀は驚き、必ず恩に報いると心に誓い、織田信長の下で大名の身となるのです。
3:鉄砲の名手だった
光秀が朝倉義景に仕えていた頃、義景の命令で光秀は自身の鉄砲の腕前を披露することになりました。
わずか30cm四方の的を45m先に立てて、光秀は鉄砲を100発撃ちます。そのうち68発は的の中心に当たり、残り32発も的に当たっていたので、全弾的に命中させた彼の腕前に見物人は皆驚嘆したといわれています。
4:大いなる野望
まだ若かった頃、光秀は芥川という場所で大黒天の木像を拾います。
まわりの人々は「これはめでたい。大黒天の像を拾うと千人の長になるという。今にあなたは出世するだろう。」と光秀に言いますが、それに対して彼は「今の時代は凡人でもそのような身分になることはできる。私の目標はその程度ではない。」と言って木像を他の人に渡してしまったそうです。
5:光秀と浪人の話
光秀が十万石の大名だった頃、堀辺兵太という浪人が光秀の下にやってきます。俵を背負ってやってきたその浪人は千石で家来にしてほしいと光秀に頼みました。
光秀は堀辺をもてなしている間に隙を見て俵の中身を見ます。手入れされた刀や槍が中に入っているのを見て、面白い侍だと思い、千石で堀辺を家臣にしたそうです。
6:信長に名将と評価された
武田信玄が亡くなった後、信長は光秀に「信玄は名将と呼ぶにふさわしかった。古くから名将とはどれぐらい居るのか申してみよ。」と尋ねました。光秀は古の名将をひとりひとり説明した後で、最後に信長の名を挙げます。
すると信長は「わしの名を挙げるとは片腹痛いわ。光秀、お主こそ天下無双の名将であろう。」と言ったという逸話があります。
7:蘭丸に鉄扇で打たれる
1582年5月のはじめ、信長の招きで徳川家康が上洛することになります。信長は家康を安土城でもてなすことにして、光秀にその接待役を命じました。光秀は壁や柱や庭に豪華な装飾をして抜け目なく準備を整えます。
しかし、それを見た信長が光秀を呼んで「今度の接待を何と考えている。贅沢の限りを尽くすとは不届きだ。」と言うので、光秀は怒りを顔に表しました。
すると信長は「反省する気がないのか。誰か光秀の頭を打て。」と命令すると、そばにいた森蘭丸が「御上意でござる。」といって光秀の頭を鉄扇で打ちつけます。
光秀は額に血を垂らし、屈辱に耐えながら信長の前を退いたそうです。
明智光秀は謀反を起こした人、というそれだけの認識しか持っていない人にぜひ読んでもらいたい本です。もちろん本能寺の変を起こし、信長を自害に追い込んだことは間違いありません。しかし悪者ではないのです。この本からは光秀への愛情が感じられます。
- 著者
- 浜野 卓也
- 出版日
- 1991-12-20
この本の信長は冷酷で非道な独裁者として描写されています。そのため光秀の冷静で知力に溢れているところが際立ち、英雄としての光秀像ができあがるのです。信長はそんな秀吉の才能に気付き、自分に仕えさせようとしますが、光秀は、信長は自分の信念に合わないと思いなんとか断ろうとします。しかし結局は仕官することになり、さまざまな場面で重用され、その才能を信長のために使うことになるのでした。そんな光秀の逡巡と疲弊していく様子に読者も共感してしまいます。
- 著者
- 桜田 晋也
- 出版日
光秀の子孫の執念が見える本です。通説では日頃の恨みがたまりにたまって光秀は謀反を起こしたとなっています。しかしこの時代、謀反を起こし失敗すれば一族皆殺しとなり、家の存続は不可能といえるでしょう。冷静な判断力があった光秀が安易な考えでそのようなことを行うでしょうか。
- 著者
- 明智 憲三郎
- 出版日
- 2013-12-03
50年かけて完成した本だということです。海外でも活躍する医師でありながら、ライフワークとして成し遂げたというだけでもその重みが伝わってきます。集めた写真や図は500点ほどにもなり、見応えたっぷり。カラーの美しい写真からは、光秀の人柄が伝わってくるように感じられます。
- 著者
- 信原 克哉
- 出版日
- 2005-09-01
本作で描かれる光秀は、こんな光秀見たことないというくらいに爽やかで情に厚く、文武両道ながら女々しいところもある魅力的な人物です。見どころはやはり3人の友情物語。愚息と出会い成長していく剣使い新九郎も格好いいですし、お金にとらわれず自分を見失わない愚息にも憧れてしまうことでしょう。
- 著者
- 垣根 涼介
- 出版日
- 2013-08-30
実は優しくて誠実な光秀の姿は、浮かび上がってきたでしょうか。勝者の作る歴史は曲げられていることも多いと言います。ぜひこの機会に歴史をさまざまな角度から検証していってみてくださいね。