ダリという名前を知っていても、それがどんな人物なのか知らない人も多いです。「ぐにゃりとまがった時計」と言えば、ピンとくる人も多いのではないでしょうか。そんな断片的にはすごく有名なダリの全容に歩み寄れるおすすめの本を紹介します。

1:常に身を守るために鎧を求めていた
彼は常に死に怯えていました。彼が生まれる前に死んでしまった兄に対する親の悲しみを幼い頃から目の当たりにしていたことが原因といわれています。その恐怖から身を守るために常に鎧を求めていたのです。それは彼が好んだ食べ物によく表現されています。硬い外側に軟らかい中身が詰まったチーズ、パン、甲殻類、卵などは彼の好物で、彼を安心させる物でした。
2:あの口ひげは遺体を掘り起こされた時も10時10分の位置だった
彼のトレードマークといえばピンと上に跳ね上がった口ひげ。その位置はおおよそ時計の10時10分位置です。彼はとあるDNA鑑定のために死後遺体として掘り起こされました。その時のひげの位置はなんと、トレードマークのまま10時10分の位置であったとサルバドール・ダリ財団によって明らかにされました。
3:妻は、略奪愛の末結ばれたガラという女性だった
彼が25歳の時、エリュアールという画家が家族と共に彼を訪れました。そこにいたエリュアールの妻ガラとダリは芸術に関する話で盛り上がります。エリュアールが遊び人で愛人がいたことなどもあり、ガラとお互いに強く惹かれあうようになりました。その後、二人は駆け落ちし、ガラが夫と離婚も正式にした後、結婚しました。
4:画家人生は妻の死と共に終わりを迎えた
彼の画家人生は、彼が無名時代から精力的に支えてくれいた、愛する妻の存在あってのものでした。妻ガラが死去した翌年、「燕の尾」という作品を最後に、彼は筆を折ることにきめたのです。
5:パリで有名な老舗ホテル、ル・ムーリスの常連だった
19世紀、世界最高峰の宿と称され、世界中の王族に愛されたホテルがパリにありました。それがル・ムーリスです。ここで彼は少なくとも1年に1ヶ月は滞在していたといわれています。彼の奇行列伝はこのホテルでもいくつかあり、このホテルの顧客リストの中でも特にインパクトのある常連だったそうです。
6:チュッパチャップスのロゴを作った
世界中のどこでも売られている飴、チュッパチャップス。黄色地の花のデイジー型に赤の印字がされた目に留まるロゴは彼がデザインしたものなのです。1969年にデザインの制作依頼がありました。そこからロゴはマイナーチェンジをして現在に至っています。
7:アカデミーから追放された
1922〜1926年の間、サン・フェルナンド王立美術アカデミーにて美術を学びました。彼がここに入学できたのも、そもそも既定のルールに則ったものではなく、彼独自の表現をしたという経緯があります。ですが、あまりにも奇行が行き過ぎていたようで、とうとうアカデミーを追放されてしまいました。ただ、その後も、そのアカデミーの師から個人的に教えを請いで、自身で芸術のレベルを上げていきました。
8:オノ・ヨーコを騙したことがある
彼は、オノ・ヨーコにシンボルである髭の1本を欲しいと頼まれました。彼は1万ドルと引き換えに1本渡すことを承諾します。その後、ヨーコが1万ドルの支払いをしたものの、送られてきたのは草1本でした。彼の言い訳として、彼女に髭を渡したら自分が呪われてしまうとのことでした。
9:お勘定を払わずレストランを出てきたことがある
彼は大盤振る舞いレスランで食事をした後、小切手を店の者に渡してでていきました。小切手の裏に書かれたのは金額ではなく、彼の落書きでした。本来なら立派な詐欺ですが、「ダリの落書き」というところがミソとなります。有名なダリの落書きとなると、現金に換えず自分の手元に取っておきたいとおもうか、誰かに売りつけて現金に換えたとしても、レストランの食事以上の金額になる可能性があります。新たな手法の物々交換とも言えますし、ペテン師ともいえる行為です。面白いところをついた発想のダリのアイディア勝ちといえる1シーンでした。
また描法だけでなく実生活での実践方法も書かれています。アルコールやセックスなどを禁欲し、手のケアを怠らない。さらに自分の作品の悪態をつくな、目覚めながら寝ろなど、奇行の目立つサルバドール・ダリの私生活まで克明につづられています。彼についてもっと深く知りたい人も読みたくなる内容になっています。
- 著者
- サルヴァドール ダリ
- 出版日
彼の個性的な作品をここまで分析した書籍はあまりありません。代表作ともいえる「ウィリアム・テル」から、絵画だけでなく彼の手がけた建築やオブジェまであらゆる観点でダリを分析した至極の研究本です。その分析には称賛や批判など偏った意見は一切排除されているので、学術的観点だけで着目できるのも本書の魅力になっています。
- 著者
- ジャン=ルイ ガイユマン
- 出版日
また贋作で儲けていた当時の贋作師たちの事実なども載せられています。ダリを真似てそれっぽく描いたり、既存するまったくの別物を彼の作品と偽って売っていたりと、あらゆる手で彼の名を利用していました。当時彼がどれだけ人気で流行していたかを知ることができるのも本書の魅力です。
- 著者
- スタン ラウリセンス
- 出版日
96ページにわたりサルバドール・ダリの作品が掲載されています。本物の絵は高価でこれほどの数を揃えるのは金銭面でも大変ですが、この一冊で作家の人生の縮図ともいえる作品群に触れられるのは貴重な体験です。そんな体験が手軽にできる魅力的なアート作品集になっています。
- 著者
- ジル・ネレー
- 出版日
- 2000-07-01
こうした彼の交友関係だけでなく、私生活まで奇抜だった彼とアマンダ・リアの普通だったら体験できないような刺激的な生活が読めるのも魅力のひとつです。彼の新たな側面を知ることのできる一冊となっています。また1960年代という自由を追い求めた激しい時代の様子が克明に描かれており、いまでは考えられないような華々しい生活が書かれているのも本書の魅力となっています。
- 著者
- アマンダ リア
- 出版日
彼はシュルレアリスムという難解な絵だけでなく、奇抜な行動でメディアを賑わせました。絵画としての観点からだけでなく、ダリというおかしな人間について書かれた本はどれも驚きに満ちています。