にんげんとくらすねこも たいへんなんやな 『まめねこ あずきとだいず』
ある日、OLの「飼い主さん」が2匹の仔猫をもらってきます。やんちゃな姉御肌の「あずき」とおっとり食いしん坊の「だいず」。凸凹姉弟猫の目線で見た、ゆるくて和む生活が始まります。
あずきは強気だけどびびりな女の子。反対にだいずは良く言えば泰然自若ですが、よく食べよく寝るただの怠け者。仔猫らしい自分勝手な2匹は、なぜか関西弁を操り、ちょっと毒舌な会話や人間の観察をします。
- 著者
- ねこまき(ミューズワーク)
- 出版日
- 2013-07-03
「肌色」「もじゃ」「メガネ」「座敷おやじ」
これ、猫達が勝手に名付けた「飼い主さん」一家のあだ名なんです。それぞれ、いつも肌着姿のおじいちゃん、もさもさパーマのお母さん、視力の悪いオタクのお兄ちゃん、ふらりと姿を消すお父さん。家族の特徴を捉えていますね。
一番謎な「肌色」は、種明かしされると思わず納得してしまいますが、ちょっとひどい言い草で笑ってしまいます。それにしてもこの猫達、お父さんを座敷童にたとえるなんて、そんな言葉いったいどこで覚えたんでしょう。
そんな不思議なところも魅力的なのんびりとした猫の日常です。
吾輩はタマである。じーさんとふたり暮らしだ『ねことじいちゃん』
老人と猫の多い港町。そこの坂の上にある一軒家で「大吉さん」というお爺さんと猫の「タマさん」は暮らしています。1人と1匹が寄り添って、ゆっくりと過ごす毎日。特別なことはないけれど、だから毎日が愛おしい。
大吉さんはよくタマさんに話しかけ、タマさんも声をかけられれば応えます。勿論人間と猫ですから、本当なら言葉は通じません。でも心は通じているんです。近すぎず、離れすぎず。お互いを思いやる家族の距離感。
- 著者
- ねこまき(ミューズワーク)
- 出版日
- 2015-08-07
たまに挟まれる食事風景もポイントです。奥さんに先立たれて2年、それ以前にも学生時代には自炊していたという大吉さんの腕前はなかなかのもの。10歳猫のタマさんは本人曰く「人間換算で50代のナイスミドル」ですが、大吉さんのご飯を狙う姿は悪戯好きの仔猫のよう。
舞台は海の見える坂のある、猫の多い素敵な町です。尾道か、はたまた江ノ島でしょうか。のんびりとした優しい雰囲気が漂っています。実は作者が愛知県出身であること、登場人物が愛知の方言を話すことから、三河湾の離島・日間賀島がモデルではないかと言われています。
日間賀島を訪れてみれば、のんびり暮らす大吉さんとタマさんにひょっこり会えるかも知れないと思うほど、身近に感じられる優しい物語です。
くりた家を騒がす小さくてやんちゃな台風兄弟『兄弟にゃんこスウとクウ』
先代猫ブンタが永眠して3年経ったくりた家で、にわかにペット論争が巻き起こります。結局は捨て猫を引き取ることで決着。里親探しをする猫カフェで夫妻が出会ったのは、2匹の兄弟仔猫でした。
柄も違えば性格も違う2匹。しかし、猫背で対称的に寝る様子は、上から見るとまるでハート型。仲良し兄弟を引き離すのは忍びないと、くりた家は初の多頭飼いに挑戦します。こうしてスウ(数)とクウ(空)の2匹を迎え、くりた一家の日常エッセイが始まります。
- 著者
- くりた 陸
- 出版日
- 2011-08-04
虎柄で腕白なお兄ちゃん(?)がスウ、白黒で甘えん坊な方がクウです。一家を困らせる悪戯をするのは主にスウ。控えめなクウは兄を立てるようにその後をついて回ります。
しかし、性格はさておいて、人間の思惑通りに行かないのが猫のさがというもの。結局は2匹揃って家族を引っかき回します。
仲良きことは美しきかな。スウとクウは本当に兄弟仲が良く、オス同士なのにつがいかと思うほどのラブラブっぷりを見せます。たまに喧嘩することがあってもすぐ仲直り。一緒に丸くなって猫団子を作ります。
兄弟のモノローグはなぜか関西弁。勝手気ままな猫の雰囲気は、いい加減な関西弁と相性がいいのでしょうか? 作者くりた陸の旦那さんが関西出身らしく、手のかかるオスは関西人、というイメージなのかもしれませんね。