何かを摂取したり、行ったりすることによって、その人の「おいしい・楽しい・気持ち良い」という感情をピンポイントで刺激する嗜好品。今回は嗜好品という視点から歴史を紐解く5冊の本を紹介します。

普段、とびきりの甘さで人々を癒す砂糖ですが、実は甘くない歴史があったことがこの本を読むとわかります。今では当たり前のように紅茶に入れている砂糖。実はこの当たり前の習慣は、アフリカからイギリスへ運ばれてきた数十万人の奴隷たちの犠牲の上に成り立っていたのです。
- 著者
- 川北 稔
- 出版日
- 1996-07-22
緑茶は主に日本、紅茶は主に中国やインド、と同じアジア出身でありながら、緑茶は徐々に衰退していく一方で、紅茶は世界的に広まっていきました。その背景には、精神世界を重んじる日本のセールスの仕方と、物質的世界を重んじる中国やインドのセールスの違いが、重要な鍵を握っていたのです。
- 著者
- 角山 栄
- 出版日
人間の生命維持に欠かせない物質である塩は、太古から人々の生活の中で重要なポジションを占めていました。ある時は人々の非常食に役立つものとして、またある時は戦争中の戦略物資として、塩は常に人間の歴史に深く関わってきたのです。
- 著者
- マーク・カーランスキー
- 出版日
- 2014-05-23
かつてカカオは中米で暮らしていたマヤ人やアステカ人の間では薬品として扱われており、その重要性から貨幣として使用されていたこともありました。のちにそれらの土地がスペインの植民地となり、爆発的に各地へ広まっていったのです。その際にヨーロッパにもチョコレート飲料が伝わったのですが、ヨーロッパ人の口には甘くないチョコレート飲料は合わなかったようで、砂糖を入れたのが現在に伝わるチョコレート飲料の始まりなのだとか。
- 著者
- 武田 尚子
- 出版日
作者曰く、塩や水は生きるために不可欠であるため、政治的、経済的な力と結ばれやすく、支配や奴隷という関係が生まれることが多いそうです。それに対してお菓子は生きるために不可欠ではないけれど、社会や文化の潤滑油となります。つまりお菓子は「遊びのように単調な生活に張りを与え、生きる喜びをもたらすもの」ということになるのだとか。
- 著者
- 池上 俊一
- 出版日
- 2013-11-21
いかがでしたか?嗜好品が、歴史をも動かす力を発揮する面白さが伝わる本ばかりです。奥深い嗜好品の世界、あなたも少し覗いてみませんか?