新撰組三番隊隊長・斎藤一。新撰組きっての剣客で謎の多い人物です。時代により何度も名前を変え、晩年は旧新撰組幹部で唯一、政府側の役人として警察組織へと入った、そんな明治の世を生き残った謎の剣士をもっとよく知るためのおすすめの5冊を紹介します。

晩年は博物館や学校などの警備などをしていましたが、1915年、胃潰瘍によって72歳でこの世を去りま
1:新撰組の結成時、最年少幹部だった
新撰組の結成時、20歳の斎藤一は副長助勤に抜擢されます。斎藤は近藤勇の10歳下、沖田総司の2歳下(同い年とする説もある)、藤堂平助と同い年でした。
2:斎藤一の評価は?
剣の腕は、新撰組二番隊隊長永倉新八をして「斎藤は無敵の剣」と言わしめました。間者を任されていたことから、近藤勇、土方歳三からの信頼も厚かったことがわかります。
3:4回改名している
山口一 → 斎藤一 → 山口次郎 → 一瀬伝八 → 藤田五郎と4回改名しています。改名したのにはそれぞれ理由があります。1回目は19歳の時、旗本を殺した追及を逃れるため、2回目は23歳の時、スパイとしての活動から新撰組に復帰するため、3回目は24歳の時、戊辰戦争敗北の際に新撰組山口次郎を名乗るのは危険と考えたため、4回目は25歳の時、収容所を脱走した際に藤田五郎と改名しています。
4:斎藤一の名言
「武士たる者は、玄関を出るときは頭から先に出るな、足から出よ、不意に斬りつけられた場合、頭をやられれば致命傷だが、足ならば倒れながらも相手を下から突き上げて殺すことができる」
「どうもこの真剣での斬り合いというものは、敵がこう斬りこんで来たら、それをこう払っておいて、そのすきにこう斬りこんで行くなどという事は出来るものではなく、夢中になって斬り合うのです。」
- 著者
- 赤間 倭子
- 出版日
「当時、私は、斎藤一を会津藩士であり、藩の命令で新選組に送り込まれた隠し目付ではないかと思っていた」
「やがて何回か訪問を繰り返して、親しみが増していった藤田家から、突然、秘蔵の文章を見せて頂いた時、私は、彼が会津人ではないことを知った」(『新選組・斎藤一の謎』より引用)
次々と資料から人物像を探っていく本作は、この著者でなければ書けない本だと言えます。斎藤の生涯を綴っていくこの作品は、彼を知るためには必読の本です。
謎が多い斎藤一の人生を、膨大な資料から読み解くノンフィクション作品です。除籍謄本などの公的資料や関係者子孫に残る手紙など、事細かな記述から72年の生涯を紐解いていきます。
新撰組副長助勤三番隊隊長だった斎藤一。剣の腕は沖田総司、永倉新八と並ぶ最強剣士と言われています。隊務では主に暗殺や隊内の粛清など、秘密裏な事柄が多く、また戦乱を戦い抜き大正時代まで生き抜いた晩年も、多くのことは語りませんでした。同じように大正まで生きた永倉新八が、子孫に手記を遺しているのとは対照的です。
このことから、斎藤については他の新撰組幹部と違い、多くの謎が残ることになりました。
過去の作家の描いた斎藤一像や通説などを、莫大な史料から証明または否定していく研究書です。生い立ちから新撰組での役割、戊辰戦争での活躍や、晩年の西南戦争、警察組織での記録など、記録から読み解く事実は斎藤一という人物の面影が見える気がしてくるのではないでしょうか。
- 著者
- 菊地 明
- 出版日
- 2011-08-20
新撰組幹部のなかで、明治維新を経て大正時代まで生き抜いたのは、斎藤一と二番隊隊長・永倉新八の二人だけです。永倉は回顧録や体験談を語り継いでいますが、斎藤は過去を封印したかのように沈黙を守ります。
- 著者
- 相川 司
- 出版日
- 2014-07-23
永倉が残した文章から斎藤の断片的な史実を追い、資料だけではなくその事実から推理し浮かび上がらせた実像は説得力があり、新たな新撰組を見せてくれる魅力あふれる作品です。
これまで謎とされていた、いくつかの事柄を解き明かしていきますが、特に御陵衛士でのスパイ活動と、戊辰戦争のときに土方と別れ会津藩と命運を共にした理由の2点を重要テーマとしています。これらの謎を明かすことで、斎藤一の人間的な魅力と新撰組の新たな魅力を見つけることができるでしょう。
斎藤一が生きた時代の考証と新撰組の様々な戦いを記したのは菊地明。出目、家族構成や一族については長屋芳恵。晩年の警察庁時代から最期の日までを綴るのは林榮太郎。また伊藤哲也が書く斗南藩時代と斎藤が関連する史跡の紹介は、時代を旅する気持ちにさせ、史跡巡りに旅立ちたくなるでしょう。
- 著者
- 出版日
- 2012-07-07
作中に出てくる聞き手役の若き軍人、梶原中尉、梶原中尉に一刀斎の存在を知らせる警察庁剣術助教の榊警部。いずれも架空の人物ですが、新撰組局長・近藤勇らと同じ剣の流儀、天然理心流を使うなどの幕末に活躍した人物を彷彿させる布石と思われる描写もあり、作品にのめりこませる文章はさすが浅田次郎です。新撰組を題材にした小説の中でも一級品の作品となっています。
- 著者
- 浅田 次郎
- 出版日
- 2013-09-03
老若男女問わず人気の新撰組。義に生き散っていった男たちの物語は人気の作品が数多い分野です。その中でも花のある沖田総司と対局にあるとも言われる斎藤一。謎多き天才剣士の存在を探ることで新たな新撰組の魅力が見つかるはずです。