コミックスの世界は既にかなりたいへんなことになっている
- 著者
- ジェフ・ジョーンズ
- 出版日
- 2016-12-14
ジャスティスリーグの入門編という側面を持ちながらスタートした「New52!」シリーズ、その邦訳版の最新刊では、ギリシャ神話の最高神ゼウスの娘でもあるワンダーウーマンが大活躍。
ジャスティスリーグが対峙するのは、異星の闇の神「ダークサイド」。もはやヒーローとかヴィランという次元ではなく、「神」が敵となり、ヒーローたちはほぼ歯が立たず呆然としながらも悪戦苦闘することになります。
映画の『バットマンVSスーパーマン』にも登場し、小悪党ぶりを披露した悪役「レックス・ルーサー」がこちらの世界ではヴィランからヒーローに転身し、「ジャスティス・リーグ」に加えてもらおうと大活躍してるのも胸が熱くなります。(どことなくマーベル社のアイアンマンに似たパワードスーツを着てるあたり、なかなかに味わい深いし、長年宿敵だったスーパーマンとの確執を含んだ共闘、わかりあえたと思った途端にスーパーマンがまさかの闇落ち…?!)
なおダークサイドは、マーベル社のスーパーヴィラン「サノス」の元ネタになったキャラクターで、現在のアメリカンコミックスで最も強大な力を持つヴィランの1人と言っていいでしょう。本作では、その最強の暗黒神ダークサイドを屠るべく現れた「反神」「破壊神」ことアンチモニターも登場。地球を舞台にした暗黒神VS破壊神の激闘が繰り広げられることに。人類を守るヒーローたちに希望はあるのか…というあらすじ。
作中で宇宙の真実にアクセスしたバットマンが「ジョーカーの本名は?」と問い合わせて真実を知り、ひとりで「そんな、ありえない」と驚愕するシーンがあるんですけど、その答えも気になりますね…。
完膚なきまでに追い詰められるヒーローたち
- 著者
- ["ジム・クルーガー", "アレックス・ロス"]
- 出版日
- 2016-11-30
スーパーヒーローたちは人類を超越した能力を持ちながら、人類を救うという。しかしそれは何故なのでしょうか。
「人類は自らの救済をヒーローたちに委ね切ってしまったのではないか?」という哲学的な問いを軸に、ヒーローたちの信頼を失墜させるためにヴィランたちが手を組んでしまうという最悪のシナリオ。
陰でヒーローたちを陥れ平和活動を妨げたうえで、これまで悪役とされてきたヴィランが「改心して人類を救う」というパフォーマンスを始めます。ジャスティス・リーグの基地すらもヴィランに侵入され、守るべき対象であるはずの人類からも疑いの目を向けられることに…。
人々を救ってきたヒーローたちが疑惑の視線にさらされ、団結をズタズタにされてしまいます。まるでマーベル社の傑作『シヴィル・ウォー』のような極限状態が描かれるのです。
『バットマン』シリーズの傑作『キングダム・カム』や、「ヒーローたちと人間」という同様のテーマを描いた大作『マーベルズ』の作者でもあるアレックス・ロスによる意欲作。克明で写実的な絵画を思わせるアレックス・ロスの画風ひとコマひとコマをじっくり眺めたくなるクオリティです。
最速の男「フラッシュ」が文字通り暴走するとどうなるか(スーパーマンでも追いつけない)とか、単なる海棲人類ではないアクアマンの凄さとか、ワンダーウーマンの「金色の縄」の地味な活躍など、ジャスティスリーグのメンバーたちについて理解するのにもオススメ。大作ですが2巻で完結なのもGood。
ジャスティスリーグ・ダーク!も登場
- 著者
- ジェフ・ジョーンズ他
- 出版日
- 2015-06-24
パンドラの箱を巡ってスーパーマンが暴走、拘束されるという事態が発生。ジャスティス・リーグはスーパーマンとバットマンの「ジャスティス・リーグ」と、アメリカの公的組織である「ジャスティスリーグオブアメリカ」に分断されて衝突、さらにパンドラの箱の謎に迫るため、ワンダーウーマンはコンスタンティンらジャスティス・リーグ・ダークに協力を求めます。
ジャスティス・リーグ・ダークは、マーベル社のアベンジャーズで言えばドクターストレンジのような、オカルト系のヒーローたちが集まったチーム。代表格は、キアヌ・リーブス主演で映画化もされカルト的な人気を誇る「コンスタンティン」。このご時世に肺癌のリスクを顧みずに堂々とチェーンスモーキングする生粋のダークヒーローです。
ワンダーウーマンがゼウスの娘であることや、パンドラの箱も登場し、ギリシャ神話をちょっと知ってると楽しめる作品でもあります。(時系列的には上掲の「ダークサイド・ウォー」よりも前ですが、インパクト的にはパンドラよりもダークサイドのほうがどうしても大きいので、こちらは後回しにしました。)
Photo:(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC