ふと、悍ましくて恐ろしいものをのぞき込んで見たくなる時はありませんか?スプラッタホラー漫画は一度読んだら忘れられないような怖くて引き込まれる魅力があります。今回はそんなホラー漫画をランキング形式で紹介します。

- 著者
- 財賀 アカネ
- 出版日
- 2010-03-17
- 著者
- 玉置 勉強
- 出版日
- 2004-06-24
岡本倫による『エルフェンリート』。「週刊ヤングジャンプ」2002年〜2005年にかけて連載されていました。全12巻で完結しています。また2004年にはアニメ化もされ、こちらは海外での評価が非常に高く数々の賞を受賞しました。
ヒロインは頭の横に猫耳のような2本の角を持ち、ベクターという特殊な殺傷能力を持つ女性型ミュータント・ディクロニウスのルーシー。彼女たちディクロニウスは人類を脅かす可能性を持つ存在と危惧され、国家最高機密のものとして離島の研究所に隔離されていました。
ある日、事故により、ルーシーは研究所からの脱出できるチャンスを得ます。しかし海に飛び込む寸前に頭を撃たれ、そのまま海に投げ出されてしまうのです。そして大学進学のため鎌倉にやってきたコウタとそのいとこユカが、浜に打ち上げられたルーシーを発見します。
しかし彼女は頭部への銃撃によって記憶を失い、人格は分裂。「にゅう」としか話せません。コウタは、無邪気で屈託なく笑う彼女を殺人鬼とも知らず、「にゅう」と名付けて家に連れて帰ります。そしてそれは、悲しくも壮絶な物語の始まりだったのです……。
- 著者
- 岡本 倫
- 出版日
- 2002-10-18
一見萌え系漫画と思わせつつ、その内容は過激でグロテスクな殺戮シーンと救いようのない悲劇の連続。ルーシー達ディクロニウスは内なる声DNAに従い、殺傷能力ベクターを発動させます。容赦ない殺戮シーンと残虐極まりないリアルなスプラッタ―描写は、海外からも高く評価され、ハリウッド映画化の話も出たほどです。
また、血飛沫と肉体破壊にまみれたバイオレンスで救いのない鬱々とした展開と同時に描かれる、それぞれに魅力的なキャラたちのほのぼのとした日常の対比は、物語の重さをより際立たせています。お色気シーンやハーレム展開など青年漫画らしいエンターテイメント要素を盛り込みながらも、偏見や差別、孤独、いじめ、児童虐待など、現代社会に通じる重いテーマにも斬り込んでいくのです。
一例として、ルーシーの話をご紹介しましょう。親に捨てられ、施設で育ったルーシー。彼女は頭に角があることで、施設の子どもたちからは凄惨ないじめに遭い、大人からも気味悪がられていました。可愛がっていた犬を目の前で殺されたことをきっかけに、ディクロニウスとして覚醒し、施設の人間を皆殺しにして逃走。そして迫害を恐れ、角を帽子で隠し、常に周囲に怯えて孤独に生きていたのです。
そんなルーシーに対し、ただひとり頭の角をほめ、人間として、友達として優しく接してくれた人物こそ、コウタでした。幼い頃のふたりの交流は、本作の核となる一番の見どころ。それは残酷な運命を背負わされた孤独な少女にとって束の間の救いだったのです。
やがて幼いルーシーはコウタに惹かれていきます。しかし思いが強すぎたあまり、ユカと親し気なコウタに対し嫉妬し、一時の感情に付け込んだDNAに唆され、コウタの父親と妹を含む大勢の人間を惨殺。コウタは目の前で家族を殺されたショックのあまり、当時の記憶をなくしてしまいました。
ルーシーは、自分が人類を滅ぼす殺人鬼であることや、家族を殺した罪の意識から、愛しい人との再会を果たしても恋模様をただ見届けるしかできないのでした……。救いのない絶望とやるせなさの中でも強く生きるルーシーの生き様を、ぜひその目で確かめてほしいと思います。
その生い立ちから人間を憎み、不器用で自罰的なルーシーと、すべての記憶を失い幼児化した素直で純真無垢なにゅう。物語が進むにつれて解き明かされる、正反対の人格の関係性に潜む悲しさには、ただ胸が締め付けられることでしょう。理不尽な差別による迫害、取り返しのつかない罪、ありとあらゆる不条理と抗うことのできない残酷な運命……。人間と社会、そして心をも分解し、この世界に生きる読者に問いを投げかける、泣けるスプラッタ―漫画の傑作です。
- 著者
- 池辺 かつみ
- 出版日
- 2012-12-20
- 著者
- 佐藤健太郎
- 出版日
- 2014-03-07
- 著者
- 巴 亮介
- 出版日
- 2013-11-06
以上となります。今回紹介した作品は、どれを取ってもあなたの心に何らかの爪痕を残してくれること間違いなしです。悍ましいのに、怖いのに、また手に取って読まずにはいられない……。そんな抗えない魔力を持った作品たちに、ぜひ魅了されてください。