3位: 一色まことによる青春物語
『出直しといで!』は、高校を舞台とした青春物語です。
仁子、大福、山田等とJ組通称アホクラスに在籍し、毎日楽しい高校生活を送る茜。ひょんなことから全く関わりのないエリートクラスA組に在籍する土屋に告白してしまいます。しかし実は、土屋は以前から茜に好意を抱いていて——。
- 著者
- 一色 まこと
- 出版日
- 2003-08-07
良くも悪くも素直な性格であり、勉強は苦手だが女子バスケのエースを務める運動神経抜群な女の子森下茜を主人公とした物語です。
お金持ちで容姿端麗ではあるが多くの恋人を持つ遊び人、相馬仁子。強い天然パーマがコンプレックスで、無口な女の子、原ゆきみ(愛称は大福)。茜の幼馴染で茜に好意を寄せる男子バスケ部員、山田素直。動物病院の実家を継ぐべく、成績トップのA組で、獣医獣医を目指すエリート、土屋時彦など、個性際立つ面々が登場します。
恋に対して鈍感で右往左往する茜。様々な重要な事実を知るものの誰にも話せず、一人あたふたする大福など笑ってしまう場面も多く取り入れられています。その他、土屋に好意を抱くA組の美人、葛西涼子という恋のライバルも出現し、恋愛漫画では欠かせない要素も盛り沢山の1冊です。
進路をどうするか悩む場面では、「自分が高校生の時もこんな風に悩んだな」と共感できるところもあり、飽きずに読み進めることができるでしょう。それぞれが高校を舞台に、恋や進路に悩み葛藤しながらも、青春を謳歌するラブコメディ。茜の恋に将来はどうなっていくのか——。もちろん茜を取り巻く登場人物達からも、目が離せません。
2位: 幽霊だって一人の人間?
ある事故を境に幽霊が視える力を持ってしまった一路。現世に未練が残り成仏できずにいる幽霊達。そんな幽霊達の未練を一路が代わりに晴らすことで、成仏のお手伝いをしていく物語『花田少年史』。一路と幽霊の出逢いが人々に感動を巻き起こします。
- 著者
- 一色 まこと
- 出版日
- 2015-10-23
幽霊が視えるようになった悪ガキ小僧の花田一路に、成仏できていない幽霊達が、自分の未練を晴らしてもらうことで、成仏していくという物語である本作。幽霊と聞いて怖い漫画ではないかと思う方もおられるかと思いますが、こちらの作品、全く怖いものではありません。むしろ幽霊達があまりにも人間らしい未練を抱えているため、笑ってしまう場面が多くあるのです。今回は、その中からいくつかをご紹介します。
浮気の証拠となる手紙を妻が見つける前に代わりに処分してほしいと頼み込む、裸のおじいちゃんの幽霊。欲という欲を抑えて勉学に励み、見事東大合格を果たすものの、その直後、童貞のまま亡くなってしまったため、最後に美人の谷間に顔を埋めたい、織田学。幽霊ってこんな感じなのかなと楽しくなるお話が盛りだくさんです。また、自分の死が原因となり、心を閉ざした母を元気にしてほしい川で溺死してしまった少年の幽霊など、胸が締めつけられるようなお話もあります。このように本作の内容は幅広く、時には胸をグッと掴まれるような名言もあり、どれも素晴らしいお話ばかりなのです。
悪ガキ小僧だった一路が幽霊達のため頑張り奮闘する姿は、見ていて自分の息子のように愛おしく感じます、読んでいて、つい応援したくなるような、笑いあり涙ありの幽霊コメディ作品となっています。
1位: 一色まことの代表作!
森の中に置かれた一台のピアノ。たった一人の少年を除いては、そのピアノは誰にも弾くことができません。本作は、ピアノを習ったことも、楽譜を読むことすらできない一ノ瀬海が、彼を取り巻く環境に葛藤しながらも、様々な人との出逢いを通し、ピアニストへの道を歩んでいく物語です。
- 著者
- 一色 まこと
- 出版日
- 2005-04-14
主人公の一ノ瀬海を取り巻く環境は、決していいものとはいえません。森の端と呼ばれ、ガラの悪い輩のたまり場である色町で、娼婦の母と貧乏な二人暮らしをしていた海。彼が唯一大好きなことは、森の中に捨ててある、誰にも弾くことができないピアノを弾くことでした。もちろん彼はピアノを習ったことはなく、楽譜すら読めません。しかし彼は、常人が持たない、ある特別な才能の持ち主だったのです。
そんな海の元にある日、ピアニストの家計に産まれ、ピアニストの夢を持つ、雨宮修平という少年が転校してきます。修平との出逢いによって、本当のピアノの世界に触れる海。そして彼は、ピアノを通して個性輝く人々と出逢っていきます。それぞれが感化され合いながら進んでいく物語。海はその中で何を思い、何を感じ、どのようにピアニストへと成長していくのでしょうか。
本作の見どころの一つであるピアノを演奏する場面。漫画から実際に音が聞こえてくるといわんばかりに、躍動感ある描写がされており、まさに目の前でピアノが演奏されているような感覚を味わうことができるでしょう。
海と母の親子としての愛情や絆、さまざまな人間の嫉妬や暖かさなどの本質的な感情が描き出されている本作。ピアノの場面以外でも十分楽しんでいただけるような、一色まことらしい作品になっています。
『ピアノの森』については
<漫画『ピアノの森』に感動!完結までの見所をご紹介!【ネタバレ注意】>記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。