ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン、この名前を知らない人はいないでしょう。日本では楽聖と呼ばれるほどのドイツの作曲家です。では、彼の人生についてどれほどご存じでしょうか。今回は偉大なる音楽家ついて知る5冊をご紹介します。

1:ベートーヴェンの実際の容姿は荒々しいものだった
普段彼を思い浮かべるとき、ぴしっとしたシャツにジャケット、赤のネクタイをきちんと絞めた姿を思い浮かべませんか?若干のロングへアー、白い肌に凛々しい顔立ちと洗練されたイメージもあるかと思われます。
ところが、彼の他の肖像画には、もっと荒々しい姿が残されているといわれているのです。肌は黒く、肌荒れもあり、服にも無頓着だったようで、雑な格好をしていたといいます。
2:ベートーヴェンは短気
彼は非常に短気であったと伝えられています。怒りにくると、周囲の物を投げ飛ばしたりすることが日常茶飯事であったといわれています。ベートーヴェンはレッスン中に弟子の楽譜を破り捨てたり、噛みついたりと、大変な癇癪もちでした。
3:慢性的な鉛中毒だった
彼の食生活や彼の体が何でできていたかということが、残された彼の毛髪を基に研究が行われました。結果、彼は鉛中毒だったのです。彼は生前、甘いものが好物でした。
ところが砂糖は当時高級品であったため、代替えとして、鉛の鍋で葡萄の汁を煮たものを好んで接種していたそうです。この煮汁には鉛が含まれており、それにより鉛中毒となり、腹痛や難聴を引き越したといわれています。
4:ピアノを愛した作曲家だった
彼は幼少期より、ピアノの教育を施されてきました。彼の身近には常にピアノがあり、彼自身自分に降りてきた音楽のアイディアや感情はピアノで表現していました。そのためか、彼が作った数多くの曲のほとんどが、ピアノメインで作られたものであります。
5:ネーフェとの出会いで音楽の楽しみを知った
ベートーヴェンは幼少期よりお酒好きな父の指導により厳しいピアノのレッスンをしてきました。父のお酒代を稼ぐために父は自分にそのようなことをすると感じていた彼は音楽に嫌気がさします。ところが、ネーフェという人物に出会い、彼が曲の作り方や楽しみ方を教えてくれたのです。そして音楽を心から楽しめるようになったのです。
6:面食いで結婚願望が強かったベートーヴェン
彼は生涯独身を通しましたが、生涯に恋した女性は何人かいます。婚約まで行ったこともあるそうですが、数奇な運命で結婚にまではどれも至りませんでした。彼は愛した女性たちは若く、美貌に優れていたといわれています。彼は結婚願望もあり、女性のためにいくつか曲も残しています。その一つとされるのが、かの有名な『エリーゼのために』です。
7:ナポレオンに共感し、ナポレオンに失意した
ベートーヴェンは国の英雄とされたナポレオン・ボナパルトに強い共感をいだきました。ナポレオンが弱者を救い出した強さに魅了されたのです。そんなナポレオンのために曲をつくりました。しかし、ナポレオンがその栄光から皇帝に即位することが分かり、彼は失意と怒りにわきます。ナポレオンも所詮は俗物であるということにうんざりしてしまったのです。
8:自害を試みたのは難聴が理由だけではなかった
彼は30歳手前で難聴になり、音楽家生命にかかわる状況になりました。そして幼少期より音楽と共に生きてきたベートーヴェンにとって、耳が聞こえなくなることは死んだこと同然の辛さだったに違いありません。
ただ、人生の失意に落ちた理由としてもう一つあげられるのが当時の失恋です。彼はジュリエッタ・グイチャルディという女性と恋をしていました。しかし身分の違いから恋は破たんし、彼女は爵位ある別の男性と結婚してしまったのです。
9:骨伝導を利用し難聴の困難を克服した
彼は音を失ってから、温泉治療などを試し治療に励みましたが、どれも効果は得られませんでした。そこで特注のピアノ発注し、ピンと張った玄をハンマーで打ち体全体に振動を感じさせるようにしました。この骨伝導と、彼の知識を組み合わせ音の強弱を感じ取り作曲をしていったといわれています。
10:ベートーヴェンは相当な面倒臭がり
彼は面倒臭がることが多く、部屋が散らかったら汚れた部屋をそのままにして次の家に引っ越していたといいます。
ちなみに引っ越しの際に楽譜を大量になくしたといわれていますが、これは家政婦が食器などを包み割れないように彼の楽譜を使用していたためともいわれています。おそらく楽譜もごみのようにその辺に散らばっていたのかもしれません。
この本の素晴らしいところは、まずベートーヴェンに関する情報がとても分かりやすくまとめられていることです。その理解を助ける要因のひとつとして、この本では彼が生きた時代背景について詳しく書かれていることが挙げられるでしょう。これにより、ただベートーヴェンに関する事実を並べるよりも、臨場感を持って彼の人生を知ることができます。彼に生涯をささげた著者による、まさに力作と形容するのにふさわしい一冊です。
- 著者
- 青木やよひ
- 出版日
- 2012-11-19
少年が形見として受け取った遺髪は、約170年も持ち主を変え続け、1994年に二人のアメリカ人の手に渡ることになります。この二人の手によって、この遺髪はDNA鑑定にかけられるのです。それによって遺髪が本当に本人であるのか、そして彼の死因や生活の様子など、技術が発展するまではわかることのなかったベートーヴェンの隠された真実が、分かりやすい文章と構成によってまとめられています。彼の生涯を追いつつ、歴史ミステリーとしても楽しめる本です。
- 著者
- リディア・ニブリー ラッセル・マーティン
- 出版日
- 2012-06-02
ベートーヴェンの交響曲といえば、有名な物もいくつかありますが、9曲すべてとなるとなかなかなじみにくいものではないでしょうか。それでも、この一冊を読めば彼の残した交響曲について多くのことを知ることができます。音楽的な理論だけではなく、曲にまつわる都市伝説のような話にまで触れていくとても珍しい形式がとられているので、最後まで飽きずに読むことができるでしょう。ぜひ、実際に曲を聴きながら読んでみてください。
- 著者
- ["金 聖響", "玉木 正之"]
- 出版日
- 2007-11-16
結論を言うと、この三通の手紙は実はラブレターではなかった、という根本を覆すような説です。この時代、彼が住むヨーロッパではナポレオンによるロシア遠征が行われていました。政治的に、非常にデリケートな時期だったわけです。ベートーヴェンは偉大なる音楽家でしたが、あくまでも音楽家でしかなく、彼も時代の流れに翻弄されるしかなかったのではないかとの推測が立ちます。
- 著者
- 古山 和男
- 出版日
この二冊で紹介されているのは、彼が人生の中で書いた書簡としては、決して多くとは言えない量です。それでも手紙が書かれた背景が丁寧に解説されているので、非常に読み応えがあり、資料として見ても参考になる点が多くあります。そして、なによりも偉大なる人物であることがクローズアップされることが多いベートーヴェンの、ただの人としての姿を垣間見ることができるという点で、非常に価値がある本であるといえるでしょう。
- 著者
- 出版日
- 1982-01-16
いかがでしたでしょうか。間違いなく最高峰の音楽家の1人であるベートーヴェンについて、別の角度から紹介する5作品でした。なにか興味を惹かれるテーマのものがあれば、彼の音楽を聴きながら読んでみることをおすすめします。