入門者向けに描かれた、若かりし日のドクター・ストレンジ
- 著者
- グレッグ・パック
- 出版日
- 2016-12-14
ⓒ 2017 MARVEL
ドクター・ストレンジは、至高魔術師(ソーサラー・スプリーム)と呼ばれる世界最強の魔法使い。科学や超能力で戦うヒーローたちが多数派を占めるマーベルコミック世界において、神でもないのに意のままに超常現象を起こす彼は独特の尊敬を集めています。
しかし、そんな彼も若かりし頃は天才外科医としての名声に驕り、金しか信じない時代もあったり。けれどそんな過去があるからこそ、キャラクターに深みが出てくるというものです。そして沈着冷静なドクター・ストレンジの、若かりし頃のヤンチャっぷりを読めるのがこの『シーズンワン』。
長い歴史の中で錯綜してしまった各ヒーローのオリジンを、新しい読者向けに整理して再スタートする「シーズンワン」シリーズ。そのドクター・ストレンジ回というわけです。
直情径行型の兄弟子ウォンと、世を拗ねていた頃の若ストレンジの冒険。SF要素の強い他のスーパーヒーローものと違い、修行とか悟りで強くなっていく感じが、日本の少年漫画ぽくてどことなく懐かしい。
また、映画版で敵役になるもう1人の兄弟子モルドと、彼をそそのかす魔神ドゥーマムゥは、本作でもストレンジたちと対峙することになります。
劇場版『ドクター・ストレンジ』の予習復習はこの1冊から
- 著者
- ウィル・コロナ・ピルグリム
- 出版日
- 2017-01-25
ⓒ 2017 MARVEL
映画版の直接の前日譚となる作品や、映画版に影響を与えていることが公式に認められてる旧作をまとめる「プレリュード」シリーズに、ドクター・ストレンジが登場!
今回あたらしく女性として描かれることになったストレンジの師匠「エンシェント・ワン」の姿や、ストレンジと助手ウォンの関係、最初期に描かれたエピソードなど、ファンになってからも重宝しそう。
以下に紹介する『ウェイ・オブ・ウィアード』の第1話も収録されていたり、他の作品を読むきっかけにもなっています。
アメコミ的なダイナマイトなボディではないのに、凛としたカッコよさと抑制されたセクシーさのある女性版「エンシェント・ワン」や、ストレンジの敵役のはずなのにバイキンマン的なヤラレキャラ感のある「モルド」の描かれ方、バットマンのアルフレッドやアイアンマンのジャーヴィスのような位置付けの「ウォン」との絶妙な関係は特に見所。
「プレリュード」シリーズでは、既刊の『ガーディアン・オブ・ギャラクシー:プレリュード』がオススメ。映画版で重要な役割を果たした樹木人グルートが、初出時は街を脅かす樹木のバケモノとして描かれていたことを知って、更に可愛く思えるようになりました。
渋めだけどキザな艶のある顔と奇妙な屋敷
- 著者
- ジェイソン・アーロン
- 出版日
- 2016-12-28
本作のドクター・ストレンジは、顔こそ渋いが「オカルト版のアイアンマン」のような放埓さが魅力。世界の魔法の守護者であると同時に、(エクソシストやゴーストバスターズさながらに)子供に憑いた悪霊を祓ったりする「オカルト医師」としての日々を送っています。
「角のピザ屋の店員は魅力的だ。恋の魔法にかけられた以上、足を向けるしかあるまい」とか言います。キザ!
上掲の『シーズンワン』ほどのヤンチャ感はないものの、至高魔術師としての重みより、オカルト医師でもある自分の胡散臭さを楽しんでいる茶目っ気たっぷりな姿が描かれています。
なおドクター・ストレンジが本作で根城にしている館「サンクトム・サンクトラム」の住所は、ニューヨーク市ブリッカーストリート177A。ドクター・ストレンジの異名のひとつに「シャーロック」というのがありますが、シャーロック・ホームズの住所はロンドン市ベイカーストリート221B。
ブリッカーストリートに、ベイカーストリート。映画版で今回ストレンジを演じるベネディクト・カンバーバッチが、ドラマ『シャーロック』でホームズを演じていたことと併せて考えても、なかなか気になるトリビアです。
さらにちなみに、映画版『シャーロック・ホームズ』でホームズを演じたロバート・ダウニー・Jr.はご存知のとおり、アイアンマンことトニー・スタークを演じています。アイアンマン、ストレンジ、ホームズの3者は、けっこう似たイメージなのかも知れません。
本作でドクター・ストレンジ本人とともに「もう1人の主役」とも言える、彼の根城「サンクトム・サンクトラム」。この根城は、別のシリーズ『ニューアベンジャーズ トラスト』で、超人登録法に反対しお尋ね者になったアベンジャーズたちが身を隠す場所でもあります。(なお、この『トラスト』では力を暴走させるドクター・ストレンジを見ることができます。)