3位 異種間BL漫画の新機軸『コヨーテ』
- 著者
- 座裏屋 蘭丸
- 出版日
- 2016-12-22
ファンタジーBLに、またも素晴らしい作品が登場しました!
街は混乱に陥っていた。今月3体目の殺人事件が発生し、老人達は「ヴァラヴォルフ(人狼)」の仕業とほのめかす。そんな中、バーのピアニスト・マレーネは、気になる人・リリーと、ようやく一杯酌み交わすことに成功していた。しかし突然リリーは席を外し……。
海外映画のような美しく重厚な舞台を背景に、マフィアとヴァラヴォルフの抗争と、マレーネ×リリーのラブストーリーが複雑に絡み合って進んでいきます。マレーネもリリーも偽名で、2人はただのラブストーリーの登場人物ではないことが分かるのですが、果たしてどうなるのか。目が離せません。
2位 2016年このBL漫画が怖い!『カラーレシピ』
- 著者
- はらだ
- 出版日
- 2016-03-01
読み終わったあとに震えること間違いなし。
真面目がすぎて、無口で愛想がないスタイリストの笑吉。嫌みでお調子者だけど、愛想がよくておしゃべりで前の店からも客を沢山持ってきた福介。水と油のような2人、ある日居残りで技術チェックをすることになったが……。
夏目漱石が『草枕』で「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」って言ってますが、この智に働けば角が立つ、のが笑吉くんです。まじめに働いてるのですが、周りがついていけなくて摘まれちゃう。でもこれが世間やねん……がんば……!と不器用に働く若い男がかわいくてしょうがないです(私の性癖)。
BL界では清純派はもちろんなんですが、それ以上に異常者を描くのがすごく上手い作者の方が沢山いて、そのうちトップグループの一人が作者のはらだ先生です。今回もその異常者っぷりが惜しみなく発揮されて、他の追随を許しません。
カット練習とかの居残り後、福介が終電逃してやや強引に笑吉の家におしかけ、二人で寝る→夜中になんか気配を感じて起きたら馬乗りになられて顔前にチンコ丸出し、マジで顔射の5秒前だった……とか、油断してたら急にエロルートに突入します。しかもこんなの序の口です。
あとエロシーンがむっちゃ……むっちゃエロい……。根底に相手に対する確固たる愛(と書いて執着と読む)があるので異常性癖もなんか許しちゃうんですよね……だってコイツ、コイツのことむっちゃ好きじゃん……?というDV旦那を持つ嫁みたいになってしまう作品。
バロックをマンガで表現したらきっとこんな感じ。ゆがみ、なれど美しく。
1位 BL漫画の限界を突破『ヤリチン☆ビッチ部』
- 著者
- おげれつ たなか
- 出版日
- 2016-03-24
発売後たちまち10万部突破!もう説明がいらないほど売れてます。書店でも、ものすごく目立ってました。
遠野は山奥の全寮制男子高校に転入したて。部活必修のため、「楽そう」という理由で写真部に入部を決めるも、そこは写真部とは名ばかり、学校内で性欲を発散させる通称「ヤリチンビッチ部」で……!
ああ、クレイジーここに極まれり。なにせ作中の登場人物紹介で「彼は若干潔癖で気難しいとこもあるけど、セックスに関しては寛大だよ!」「玩具を使ったプレイが得意」「頭のネジが殆ど外れちゃってるから会話が成立しないことが多いけどフェラがうまいよ!」などなど。2016年のキャラクター紹介文で一番衝撃的だと思います。
そんなぶっとんだ設定に目がくらくらしてしまいがちですが、そこはおげれつたなか先生の真骨頂として、信じられないほどのピュアさも併せ持っています。間接キスにほほを染めたり、好きな子がスポーツに興じる姿を見守ったり……ああ、青春ですね。
エロと青春の見事なマリアージュ、こちらも続刊が楽しみです。いや、本当にどうなるんでしょうか。